『時計の顔』 詩 金子みすゞ
旅あきうどのこうもりが、
みじかい影をつれてゆく、
白いまぶしいひるの路。
ふっとみかえりゃ誰か知ら、
じっとみています、
白い顔。
...
お目々つぶってまた開いて、
よく見りゃ
時計の顔でした。
おるす番ゆえ、さみしくて、
じっとみつめていたけれど、
それきり時計の顔でした。
旅あきうどのこうもりが、
みじかい影をつれてゆく、
白いまぶしいひるの路。

ふっとみかえりゃ誰か知ら、
じっとみています、
白い顔。
...
お目々つぶってまた開いて、
よく見りゃ
時計の顔でした。
おるす番ゆえ、さみしくて、
じっとみつめていたけれど、
それきり時計の顔でした。