『空いろの花』 詩 金子みすゞ
青いお空のいるしてる、
小さい花よ、よくお聴き。
むかし、ここらの黒い瞳の、

...
かわいい女の子があって、
さっき私のしてたよに、
いつもお空をみていたの。
一日青ぞら映るので、
お瞳はいつか、空いろの、
小さな花になっちゃって、
いまもお空をみているの。
花よ、わたしのお噺が、
もしもちがっていないなら、
おまえはえらい博士より、
ほんとの空を知ってるよ。
いつも私が空をみて、
たくさん、たくさん、考えて、
ひとつもほんとは知らぬこと、
みんなみていよ、知ってるよ。
えらいお花はだァまって、
じっとお空をみつめてる。
空の染まった青い瞳で、
いつも、飽きずにみつめてる。
さっき私のしてたよに、
いつもお空をみていたの。
一日青ぞら映るので、
お瞳はいつか、空いろの、
小さな花になっちゃって、
いまもお空をみているの。
花よ、わたしのお噺が、
もしもちがっていないなら、
おまえはえらい博士より、
ほんとの空を知ってるよ。
いつも私が空をみて、
たくさん、たくさん、考えて、
ひとつもほんとは知らぬこと、
みんなみていよ、知ってるよ。
えらいお花はだァまって、
じっとお空をみつめてる。
空の染まった青い瞳で、
いつも、飽きずにみつめてる。