『帆』 詩 金子みすゞ『帆』 詩 金子みすゞ 港に着いた舟の帆は、 みんな古びて黒いのに、 はるかの沖をゆく舟は、 光りかがやく白い帆ばかり。 ... はるかの沖の、あの舟は、 いつも港へつかないで、 海とお空のさかいめばかり、 はるかに遠く行くんだよ。 かがやきながら、行くんだよ。