『海のお宮』 詩 金子みすゞ『海のお宮』 詩 金子みすゞ ~おはなしのうたの四~ 海のお宮は琅玕づくり、 月夜のような青いお宮、 ... 青いお宮で乙姫さんは、 きょうも一日、海みています。 いつか、いつかと、海みています。 いつまで見ても、 浦島さんは、 陸へかえった 浦島さんは~ 海のおくにの静かな昼を、 うごくは紅い海くさばかり、 うすむらさきのその影ばかり。 百年たっても、乙姫さんは いつか、いつかと、海みています。