『みえないお城』 詩 金子みすゞ 『みえないお城』 詩 金子みすゞ 野がり山がり日がくれて、 みえない家来を供につれ、 みえないお城へかえります。 ... 野でみえない羊飼い、 とおくでみえない笛吹いて、 みえない羊を呼んでいます。 森のむこうにや黄金色の、 みえないお城の窓あかり、 ちろりちろりと光ります。 私はちいさい王子さま、 みえないお馬に乗ってゆきや、 みえないお鈴がひびきます。