『もくせいの灯』 詩 金子みすゞ『もくせいの灯』 詩 金子みすゞ お部屋にあかい灯がつくと、 硝子のそとの、もくせいの、 しげみのなかにも灯がつくの、 ここのとおんなじ灯がつくの。 ... 夜更けてみんながねねしたら、 葉っぱはおあの灯をなかにして、 みんなで笑って話すのよ、 みんなでお唄もうたうのよ。 ちょうど、こうしてわたしらが、 ごはんのあとでするように。 窓かけしめよ、やすみましょ、 みんなが起きているうちは、 葉っぱはお話できぬから。