『落ち葉』 詩 金子みすゞ『落ち葉』 詩 金子みすゞ お背戸にゃ落ち葉がいっぱいだ、 たぁれも知らないそのうちに、 こっそり掃いておきましょか。 ... ひとりでしようと思ったら、 ひとりで嬉しくなって来た。 さらりと一掃き掃いたとき、 表に楽隊やって来た。 あとで、あとでと駈け出して、 通りの角までついてった。 そして、戻ってみた時にゃ、 誰か、きれいに掃いていた、 落ち葉、のこらずすてていた。