『秋は一夜に』 詩 金子みすゞ『秋は一夜に』 詩 金子みすゞ 秋は一夜にやってくる。 二百十日に風が吹き、 二百二十日に雨が降り、 ... あけの夜あけにあがったら、 その夜にこっそりやって来る。 舟で港へあがるのか、 翅でお空を翔けるのか、 地からむくむく湧き出すか、 それはだれにもわからない、 けれども今朝はもう来てる。 どこにいるのか、わからない、 けれど、どこかに、もう来てる。