紫のひと | 声迷線の彷彿線 どこ行き?

紫のひと


春風も終わりし
初夏の候
水色の透明さで持って
藤の枝に吐息を
吹きかける
長い髪のひと

触れられない事は
云うまでも無く
泣く事実
証明する間も
与えてはくれずに

淡い笑みに
交わす温度だけが
熱を放ち抱く

其れは 其れは
爽快に過ぎ去って逝く
甘い香り

そして 貴女は
痛快に記憶の中
彩って行く

軽やかに
華やかに
季節を纏って