謳 声 | 声迷線の彷彿線 どこ行き?

謳 声

永劫に連なるかと思える程の路上に立ち尽くして、途端に歌を唄い出してみる。
心の中に立ち込む霧に似た不安の全てを、吐き出すかの如くに。

けれども、そこはかとなく只、虚しさだけが無情に込み上げて来ては、逆に胸の内を酷く狂わせる。

それならば、如何様にすれば、どの様に行えば、私は報われるのだろうか?

見渡せば絶景なるかな。限りなき断崖絶壁。とても、登頂出来るなどとは思いも過ぎらず。

まるで、ちり積もった煙草の吸い殻の様に埋もれて来るありとあらゆる障害。
深く奥に沈む灰と等しく、静かに居られたら良いのに…。

涙を拭う両の掌は、泥に塗れて、とうに干嗄らび、汚れていて。

嗄れ声に変わってしまっても、まだ私は唄い続けてる。
何度も繰り返し。

誰かに聴こえる事を、微かに祈る様に。