森寺整形外科院長のブログ

森寺整形外科院長のブログ

福岡県北九州市八幡東区桃園1丁目5-12
http://moridera-med.jp

 上腕骨外側上顆炎いわゆるテニス肘は古典的にはテニスのバックハンドでラケットを握る肘の突起部(外上顆)、筋付着部が炎症を起こし、痛くなる病態で、テニスに限らずゴルフクラブ、中華鍋、フライパンを反復的に握ることが多い方でよくみかけます。当院ではストレッチの他、体外衝撃波治療、超音波照射や筋膜ハイドロリリース注射、ステロイド注射、プロロセラピーなどで治療を行っています。

 

 最近発刊された英文科学雑誌(Arthroscopy)に、上腕骨外側上顆炎に対する体外衝撃波治療、注射治療5種[ステロイド、自己全血、多血小板血漿(PRP)、ボツリヌス毒素、デキストロースプロロセラピー]の治療効果を無作為比較試験の系統的レビューとメタ解析で比較した結果が報告されています。

 短期(3カ月以下)の疼痛緩和には、デキストロースプロロセラピー、体外衝撃波治療、PRP、ボツリヌス毒素がプラセボより優れた効果を示し、中期(3カ月~12カ月)の疼痛緩和では、体外衝撃波治療がプラセボより優れた効果を示した。

 短期および中期の疼痛緩和にはデキストロースプロロセラピーが最適で、短期および中期の握力回復には体外衝撃波治療が最適とのことでした。

 

⇒ Arthroscopy.2022 Jun;38(6):2018-2034.e12.doi: 10.1016/j.arthro.2022.01.025. Epub 2022 Jan 31

 

 当院でも上腕骨外側上顆炎に対して、積極的に体外衝撃波治療を行っており、その治療効果が示され、勇気づけられる思いです。