きつねのへいすけは興奮気味に話を続けました。


「だからね、せっかく花嫁さんになるのに、幸せになるのに、悔いのないように出来ればもっといいよね?」


ビーグル犬の社長は、きつねのへいすけの話を聞きながら思いました。


「旅行のお手伝いをするだけじゃなくて、もっと幸せになるお手伝いをしろってこと?

僕たちが?

もちろんそんなことがしたい。みんなが幸せになるお手伝いがしたい。

そんなすばらしい旅行会社になりたいよ。


わかった!


で?君はどうしたら良いと言うんだい?」


きつねのへいすけのアイデアはこうです。


おとなりの赤い実の国や南にあるバナナの国、もう少し遠くの竹の国や辛いスープの国へ行くと、レースやシルクのウエディングドレスをたくさん作っている。


それもこの森でドレスを作るよりも安く作れるんだ。


そのドレスを、ハツカネズミの女の子にぴったりなドレスを作ってもらいにみんなで行くんだよ。

ハツカネズミのお父さんとお母さん、そして女の子がみんなで一緒に旅行に出掛けるんだ。


それも、全部に掛かるお金が、この森で作るドレスのお金と同じくらいなら、ハツカネズミのお父さんにも払えるんじゃないかな?


ビーグル犬の社長は言いました。


「この森で作るドレスのお金で、ハツカネズミの一家が旅行して、ドレスまで作る?

旅行にかかるお金は分かるけど、ドレスがいくら掛かるのかは僕には分からないよ。

どうしたらいいんだろ?」


きつねのへいすけがまたまたニヤリと笑いました。


「僕にまかせてよ、エッヘン!

そんなことくらいは僕がたくさんの物知りや、赤い実の国や南にあるバナナの国へ行った人達に聞いてくるから!」


と言ったと思ったら、もう目の前にはきつねのへいすけがいません。

せっかちのきつねのへいすけ。


この後ビーグル犬の社長ときつねのへいすけはどうやってハツカネズミ一家を幸せに出来たのか?


そう、この後ちゃんとみんなが幸せに、悔いのないようにできたのですが、そのお話の続きは又明日。

森のビーグル犬旅行社にとってヤッカイ者だかお客さんだか、訳の分からないきつねのへいすけが現れると、ビーグル犬の社長は仕事になりません。


なんだかいつも騒がしいお気楽もののきつねのへいすけが、ビーグル犬の社長をつかまえて旅行とは縁もゆかりもない話をしてはみんなを困らせます。


「だから、ねえ?面白いと思わない?ニットで椅子や机を作るんだよ!」


きつねのへいすけがなんだか一所懸命話をします。


「それって誰が作るの?」


人の良いビーグル犬の社長は仕事もそっちのけできつねのへいすけの話を聞いています。


「海の向こうのさ、ソーセージのおいしい国から来たキリンさんが作るんだ。彼は編み物がすっごく上手なんだよ!」

http://bkestlerknit.wordpress.com/


自慢げに話をするきつねのへいすけ。


きつねのへいすけはいつも色々なアイデアを考えてはビーグル犬の社長に自慢げに話をするのです。


そんなある日、きつねのへいすけがまたまたやって来ました。

いつもは旅行に関係のない話ばかりのきつねのへいすけ。

しかしこの日は旅行の話をしたのです。


「小川の向こうのハツカネズミの女の子がお嫁に行くんだって。でも、ハツカネズミのお父さんは病気だからあまり働けなかったんだ。」


きつねのへいすけの話はこうです。


小川の向こうに住むハツカネズミの女の子は、同じハツカネズミの男の子と恋に落ち、結婚する事にしました。


ハツカネズミのお父さんが言いました。


「今年はお父さんがたくさん働くことが出来なかった。

だからお前に結婚式の為のきれいなドレスときのこの家具を買ってやることが出来ないんだ。」


ハツカネズミのお母さんも言いました。


「だからあなたが自分で選びなさい。ドレスかきのこで作ったかわいい家具か。どちらかを選びなさい。」


ハツカネズミの女の子は言いました。


「私はどちらも要らないわ、お父さんお母さん。

ドレスときのこの家具を買うお金でお父さんとお母さんに旅行に行ってもらいたいの。

私だけ彼と一緒に旅行に出掛けるんじゃなくて、お父さんやお母さんにも旅行に行ってもらいたいの。」


ハツカネズミの女の子は、今まで自分を育てる為に旅行でさえ一度も出掛けたことのないお父さんとお母さんに、旅行に出掛けてもらいたかったのです。




「ねっ?可哀想だと思わない?やさしいと思わない?なんとかしてあげようよ。」


きつねのへいすけは、ビーグル犬の社長に詰め寄りました。


「なんとかって?僕に何か出来る?・・・できるとしても・・・旅行?」


ニヤリと笑ってきつねのへいすけは言いました。


「だからね、旅行に行けてドレスも作れる。それもお父さんとお母さんと一緒に。家族全員で!」


この物語の続きは・・・また明日!