唐突に始まった新企画・・・
正直面白いのか微妙です。
一応3月いっぱい続けたいと思ってるのですが、果たしてそこまでネタが持つのか・・・
何をするかというとタイトル通り、プロデューサーに焦点を当てていこうというものなのですが・・・
そもそもプロデューサーってなんじゃらほいということになるのですが、ウィキペディアを見てみると
総合的にプロデュースする際、プロデュース対象であるアーティスト、ミュージシャン、タレントに対して、以下の項目にある部分などを主に担当する。
1.総合的にどのようなイメージを世間に与え、売り出していくかの戦略と展開 (A&Rと連携)。
2.音楽的にどのような傾向の作品を歌唱または演奏するか、それに伴い、作詞家および作曲家を外注する場合の選定。
3.制作に際して、現場へ起用する編曲家やスタジオ・ミュージシャンらを誰にするかの選定とスケジュール調整。
4.レコーディング時の作業工程及び制作スケジュール、スタジオの選定。
5.CDやレコード発売に関連するプロモーション用ミュージック・ビデオやポスター等の展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
6.音楽関連雑誌などのメディアやテレビ/ラジオなどでのプロモーション戦略と展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
7.コンサート活動、イヴェント開催、各種イヴェント出演などの展開 (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携)。
8.出演する音楽番組などの選定と出演交渉など (メーカーの宣伝部及びA&Rと連携) 。
サウンド・プロデューサーと分類呼称される場合には、上記のうち主として項目の#2と#3におけるサウンド・プロデュースで関わる場合が多く、自身が編曲家を兼ねることも多い。
上記項目の#5~#8をアーティストが所属するレコード会社やプロダクションのA&R、ディレクター、マネージャー等が担当し、こちらがプロデューサーとしてクレジットされる場合もある。
エグゼクティブ・プロデューサーの場合には、上記の制作項目全体を含めアーティスト像全体に対するプロデュース、メディアやマーケットの連動を兼ねた総合的な業務になるため、人脈や展開能力を含めた幅広い財産と知識を必要とする。
だそうです。
HR/HMの世界でプロデューサーというとアルバムなどの録音の際のエンジニアに近いのかなという気がします。
録音の仕方やミックスダウンの仕方でアルバム自体の印象も大きく変わりますしね・・・
もちろん中には積極的に楽曲にまで口出ししたり、あるいはソングライティングに加わったりされる人もいてこればかりは個人差あるいは担当するバンド差が大きいような気がします。
そのプロデューサーの業績を見ていこうというものなのですが、その第1回は・・・
マーティン・バーチ
■エンジニア
当然この人からにすべきだと思っていました。
マーティン・バーチはイギリス出身。
あまり細かいプロフィールはわかりませんが、まずはレコード・エンジニアとして頭角を現します。
Fleetwood Mac、Wishbone Ashなど70年代初頭にイギリスを代表するバンドのエンジニアとして数多くのアルバムに名前を残しています。
有名なアルバムでいうとジェフ・ベックというか第1期ジェフ・ベック・グループの"Beck Ola"やFacesの"Long Player"のエンジニアにもその名前が出てきますし、Skid Row(バズとかの方ではなく、ゲイリー・ムーアの方)の"34 Hours"のエンジニア、そしてゲイリー・ムーア・バンドの"Grinding Stone"ではゲイリーとプロデューサーも務めています。
■Deep Purple
しかし、何と言ってもその名を広めたのは第2期Deep Purpleのエンジニアとしてでしょう。
名作"Live In Japan"のその音の良さ、臨場感なんかは、やはり、マーティン・バーチの真骨頂と言えるでしょう。
そして、Deep Purpleとの関係は解散するまで続き、"Stormbringer"や"Come Taste the Band"ではプロデューサーとしても名を連ねるようになります。
■ポストパープル
しかしながら、Deep Purpleは解散してしまうわけですが、ポストパープルとも言える数々のバンドもマーティン・バーチが手がけることになりました。
まずは、リッチー・ブラックモアが結成したRainbow。Rainbowは1st、2ndの"Rising"、3rdの"Long Live Rock'n'Roll"、ライブアルバムの"On Stage"を担当。
その中でも2ndアルバムの"Rising"はプロデューサー、マーティン・バーチの中でも最高峰に位置すると思います。
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一応今回の企画の主役はプロデューサーなので、なるべくアルバム音源でいかせていただきます・・・曲はRainbowで"Tarot Woman"。
もう1つのポストパープルと言えるのがWhitesnke。デイヴィッド・カヴァデールが作ったこのバンドには、Deep Purple出身のジョン・ロードやイアン・ペイスも在籍していました。
WhitesnakeについてはデビューEPの"Snakebite"、"Trouble"、"Lovehunter"、"Ready an' Willing"、"Come an' Get It"、"Saints & Sinners"、"Slide It In"という途中までの全てのスタジオアルバムとライブアルバム"Live at Hammersmith"、"Live...In the Heart of the City"のプロデューサーを担当しました。
Whitesnakeからはやはりこの"Ready an' Willing"がRainbowとは別のマーティン・バーチの最高傑作と言えるかもしれません。
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そして、曲はもちろんWhitesnakeで"Fool For Your Loving"。
■ポスト三頭政治
話をRainbowに戻します。マーティン・バーチがプロデューサーを務めたRainbowですが、三頭政治の体制が崩れるとマーティン・バーチからプロデューサーも変わります。(後任プロデューサーは近日記事書きますので・・・)
つまりは、リッチーはロニーとともにマーティンを使わなくなったとも言えます。
そのロニーはRainbow脱退後、Black Sabbathに加入。"Heaven And Hell"と"Mob Rules"という2枚のアルバムに参加するわけですが、この2枚をプロデュースしたのもマーティン・バーチ。これは恐らくロニーの希望があったと思われます。ロニー時代のアルバムは、それまでのオジー時代のものと異なり、オーセンティックなHR/HMアルバムということができるでしょう。特に"Heaven And Hell"は素晴らしい。
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ここからも1曲。Black Sabbathで"Die Young"。
また、同じくRainbowを脱退したコージー・パウエルもソロアルバム"Over The Top"のプロデュースをマーティン・バーチに依頼しており、マーティンへの信頼感が伺えます。
■6番目のメンバー
70年代Deep Purpleとそこから派生したバンドのプロデュースを手掛けてきたマーティン・バーチが80年代最も多く仕事したバンドが、Iron Maidenです。
マーティンは、メイデンの2ndアルバム"Killers"以降のアルバム"The Number of the Beast"、"Piece of Mind "、"Powerslave"、"Live After Death"、"Somewhere in Time"、"Seventh Son of a Seventh Son"、"No Prayer for the Dying"、"Fear of the Dark"全てを手がけます。
まさにIron Maidenの6番目のメンバーといっても過言ではないでしょう。
スティーヴ・ハリスも全幅の信頼をしていたのではないかと思います。
ただ、これ以降のアルバムは手がけていません。
理由は・・・マーティン・バーチの引退です。
メイデンのアルバムの中からプロデューサーとして特に際立った作品というのも難しいのですが・・・それだけ安定感のある仕事をしたと思います。
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そして、この1曲を。Iron Maidenで"Holy Smoke"。選んだ理由は・・・ですね。
■評価
70年代のパープルファミリー、80年代のメイデンとイギリスを代表するオーセンティックなHR/HMバンドを手がけてきたマーティン・バーチはHR/HMプロデューサーの王道と言っても過言ではありません。
特筆すべきはエンジニア出身だけあってその音作りだと思います。
マーティンの作る音は、重く、激しく、硬質で、まさに正統派であり、逆に言うとHR/HMの音を生みだしたのがマーティン・バーチ自身だと言ってもいいのかもしれません。
特に自分はドラムやベースといった、ともするとHR/HMの世界では地味な存在であるパートの音をしっかり作って、そういうしっかりした低音があるからこそ、ギター、ヴォーカル、場合によってはキーボードを引き立てたのだと言うことを証明した人ではないかなと思います。
その最も顕著な証拠が、彼が手がけたMSGのアルバム"Assault Attack"にあると思っています。
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とりあえず1曲。MSGでタイトルナンバーの"Assault Attack"を。
実はMSGはアルバムごとにプロデューサーをアルバムごとに変えていて、プロデューサーを考える意味では非常に面白い存在です。その他のプロデューサーも近々取上げますので、あまりネタばれしないようお願いします。
それはさておきMSG3枚目にあたるこの作品は楽曲こそ1stや2ndに劣るものの、音の迫力は圧倒的にこれでしょう。
まさにマーティン・バーチの真骨頂です。
一方で、あんまり楽曲面には口出ししないのかなという気もします。
それと、リッチー、デヴィカヴァがマーティンを使わなくなったのは・・・
マーティンの音がイギリスでは受けてもアメリカでは受けないと判断したのかなと思います。
彼らがアメリカ進出にあたって、変えたものの一つにプロデューサーがありますし・・・
もっと言うと、ロニーもアメリカに戻りDioを立ち上げるときにはマーティンを使わず自分でプロデュースしました。
これもやっぱりアメリカ市場を考えてなのかもしれません。
ただ、一方で頑なにマーティンを使い続けたメイデンも徐々にではありますが、アメリカ市場を制覇していきましたし、時間はかかるかもしれませんが、メイデンのように地道にやっていけばアメリカ市場だってきっと・・・
最後に自分が夢想するのは・・・パープル再脱退後リッチーはまたRainbow名義でアルバム作ったわけですが、あれをマーティンがプロデュースしてたら・・・まあ、引退してたんで難しいでしょうが。