朝の街頭活動中に、1人のご婦人に声をかけられました。


「信号、青になっていますか?」


歩行者信号は赤でした。


「いえ、赤ですよ」


私は何故そんな質問をされるのか不思議に思いました。


「信号が青の時の音がないと分からないのよ」


そのご婦人は、視力が悪いのだと教えてくれました。

私のことは見えてらっしゃったので、全く見えない訳ではないようで、その為、私は気づくことができませんでした。




援助や配慮が必要な方が、必ずしも外見を見てすぐに分かる訳ではありません。


そんな方々が援助を受け易くする為の目印としてヘルプマークというものがあります。


例えば内部障害や義足の方、妊娠初期の方などが、電車内で辛いのに席が空いてなく立っている時、「席を譲って欲しい」となかなか言えなくてとも、ヘルプマークを鞄に取り付けていれば、その辛い状況に座っている方が気づくことができ、席を譲ることができたりします。


東京都が作成し、都内で使用されていたマークですが、現在は全国的な広がりを見せています。


4年前、私は市議会一般質問でヘルプマークの普及、促進を訴え、広島市側がそれに同意をしてくれた結果、広島市でもヘルプマークの利用が始まりました。



なかなか普段から、道行く人・物に常に注意を払うことは難しいものです。


そこに対して「気付き」を与えるのがヘルプマークです。




冒頭のご婦人が、会話の中で一つ教えてくれました。


「信号機の音、横断歩道が東西方向だと『カッコー・カッコー』で南北だと『ピヨピヨ』なのよ」


全然知りませんでした。


いかに自分が物事や事象に対して注意をしていないか痛感しました。


ご婦人の目の不自由も気付かなかったし。


そんな私でも気付くことができるのがヘルプマーク。


更なる普及と認知度向上が望まれます。