Iさんと会って、打ち合わせのあと映画の話題になった。私たちは2時間ほども盛り上がり、互いの感想とともにオススメ作を交換したのだった。
左の画像は「天城越え」 。三村晴彦監督/松本清張原作/田中裕子・渡瀬恒彦・平幹二郎他


◆洋画/DVD◆
 :最近、リチャード・ギアがいいなと思ったの。
Iサン「プリティ・ウーマン」 見なかった?
 :あれ、そうだったっけ。あの映画はまぁまぁじゃなかった?
Iサン:よかったよ、あれは。でも、どうして今ごろ。
 :"Shall we dance" の予告編見て。 (追:4月29日 に記事あり)
Iサン:私も若い頃、好きだった。あの人、日本人の血が何分の1か入ってるんでしょ。だから、どこかあまりガイジンぽくなくて。
 :熱すぎず、冷たすぎず、知的な雰囲気があって。
Iサン:そうそう、中庸っていう感じで。若い頃のだけど、「アメリカン・ジゴロ」がいいわよ。相手は美人じゃないけど雰囲気がある人で、上流階級の奥さんなのね。事件が起きて証人が必要になって、言っちゃいけない立場なんだけど、二人が逢ってたことを証言するの。小品だし、ストーリーは単純だけど、よかったよ。
【Iさんから】「アメリカン・ジゴロ」


(追 4月27日 に記事あり)



◆韓国・中国/DVDと上映中◆
Iサン:最近の日本の映画って「つきあげるような感動」っていうのかな、そういう映画が少ない感じがする。韓国映画や中国映画にはあるのに。
 :韓国映画では「猟奇的な彼女」見たかな。よかったよぉ、ああでこうで(記事はココ
Iサン:題名は知ってる。じゃ、ビデオでφ(.. )メモメモ 
 :中国映画で息を呑んだのは、「鬼が来た!」(記事はココ )。太平洋戦争末期の中国の村の男のところに、謎の男が捕虜になった日本軍兵士を預かれと言ってくるの。最後は、もう・・・。日本軍が悪いとか、そういうことを越えて息を呑む感じで。見終えたあと、しばらくなにも言えない。でも最初のほうはユーモアがあって、そういう話なのにどこか面白くて。あれは一番のオススメかも。香川照之が捕虜の日本兵で出てる。
Iサン:あの人、中国映画によく出てるわね。うまいよね。この間、「故郷の香り」を見たところ。
 :DVD?
Iサン:今、映画館でやってるわよ。
 :全然知らなかった。あと、中国映画で私が一番好きなのは「紅夢」。自然描写が魯迅の小説みたいな雰囲気があるかもしれない。もうちょっと古い清時代かなぁ。チャン・イーモーとコン・リーのコンビ2作目だって。地方の大地主の第4夫人になったヒロインが気ぃ狂っちゃう話なんだけど、画像がすごくきれいで、哀しい。
【Iさんから】「故郷の香り」(~3月25日。上映中)
【私から】「猟奇的な彼女」 「鬼が来た」 「紅夢」






◆邦画・洋画/上映中◆
:この間、「オペラ座の怪人」見に行ったのね
(記事はココ )。向かいで「パッチギ」やってたから、ハシゴしようかと思ったんだけど、どうなんだろう。
Iサン:見たわ。よかったよぉ、あれは。オススメ。
 :よかったんだ。井筒監督って、金曜の深夜番組(「虎の門」 )で「こちとら自腹じゃ」っていう映画鑑賞のコーナーもってるのね。関西弁で言いたい放題ですごく面白いの。その番組で自分の「パッチギ」を宣伝してたから、どうなのかなぁ、と思って。
Iサン:日本人と在日韓国人の高校生同士があんまり喧嘩するから、先生がサッカーの交流試合をしろということになって、主人公が相手の学校へ行くの。そしたら、チマチョゴリの制服を着た女生徒がフルートで「イムジン川」を吹いていて・・・。彼女は喧嘩相手の妹なんだけど。時代背景が1960年代の京都なのね。それもよかったのかな。「オペラ座の怪人」はどうだった? 私、あまりメジャーな映画は見ないから・・・。
 :画像と音楽はすごくよかった。でも、ヒロイン像がよくわからなかった。ミュージカル映画だから人間があまりよく描けてなくても仕方ないっていうのは、言い訳にならないよね? いっぱいいいミュージカル映画あるもん。だけど、見て損はない映画だと思う。音楽なんか耳について離れない感じだし、画像がきれいだし。
Iサン:そうなんだ。じゃ、見てみようかなφ(.. )メモメモ
【Iさんから】「パッチギ」
【私から】「オペラ座の怪人」


◆黒澤映画◆  

互いに自分だけが見ていてオススメの黒澤映画をつき合わせたら、この2作になった。
【私から】隠し砦の三悪人
【Iさんから】天国と地獄



(追 「隠し砦の三悪人」はココ  「天国と地獄」はココ



そして、文庫本 「大アンケートによる日本映画ベスト150」 (記事はココがいかに優れた編集をしているか、その中の小さなコラムにある各作家のベスト10で、吉行淳之介と私の好みが重なっていて、好きな作家は好きな映画も似ているんだと、すごくうれしくなった、なんてことをいう私。ちなみに吉行のベスト4は、
第一位「エノケンのちゃっきり金太」 (未見)

第二位「天城越え」

第三「幕末太陽傳」

第四位「椿三十郎」

です。
ずいぶん前、私からのオススメでIさんも見た「天城越え」(上の画像)の話になりました。
Iサン:田中裕子はうまいよねぇ。
 :日本手拭の片端を口に咥えて、ふらふら天城峠を歩いている出の姿からいいもんね。
Iサン:色っぽいっていうだけじゃない情感があって。
 :男の子に別れの言葉、つぶやくシーンも。
Iサン:よかったぁ。
ト、二人うっとり、遠い目。