甲申大つごもり、江戸にも雪降りて積もりしが、湯好きの虫動きて庭の湯に行きぬ。


紅白は、♪オーレ オレ オレ マツケン サンバ♪ のみ見たり。

うるわしき着物姿のをとこ、狂四郎の正和、ぼんちの雷蔵、写楽の真田。
渋きは、佐分利信、吉右衛門、と定めし者なれば、
金ラメの着物に身を包みて腰振る様、おぞましく思ひたり。

されど、はやりに流され、いつしかをもしろく見たるは、年増の常ならん。


今宵、マツケン、左右ひと筋のみだれ髪も金髪。
凝りたるものよと、笑ひたり。

「去年は中島みゆき、今年はコレだけだな」
とて、マツケン終えしあと、をとこ、K-1なるものに画面変へたり。

をんな、はやばやしく正月気分で「百人一首」もぢりたるとなむ。



   長からむ 紅白の暮れ 金髪の
   みだれて夜は 笑ひこそすれ


  紅白は もう秋の田よ あきたのよ
  さんまお笑ひ 眺めせしまに