=幸福の女神=・・・『スパイラル・ピアースな夜』より


そこに泉があった・・・・・


泉から美しい女神がでてきたおとめ座

「どうなされました?」

「幸せの何かを落としました・・・」
男は、腹から搾り出すような声で答えた。


女神はやさしくたずねた
「あなたの落としたものは【財産】ですか?」

男は答えた
「うちは代々資産家でございまして、お金に困ったことは
 ありません。今この時間でも銀行に莫大な入金が
 されております。」


女神はやさしくたずねた
「あなたの落としたものは【名声】ですか?」

男は答えた
「幸い頭のデキも運動神経も優秀なご先祖さま譲りでありまして、
 教育の方も幼いときから有名な先生にお願いしてる関係で、
 一流学校を卒業後、スポーツ界・財界で活躍させてもらっております。」


女神はやさしくたずねた
「あなたの落としたものは【健康】ですか?」

男は答えた
「おかげさまで五体満足で、ここ数年は風邪すらひいておりません」


女神はやさしくたずねた
「あなたの落としたものは【愛情】ですか?」

男は答えた
「自分には、綺麗でやさしい妻とかわいい3人の子供、そして心を
分かち合った親友がいます。みんないい奴です」


「なるほどそうですか・・・・・・・」

女神は少し寂しそうに答えた、そして何かに決心して言った。

「あなたはその落し物を?もう一度拾いたいですか?
 もし、希望するなら、私がその落し物をあなたに贈りましょう」


男はうれしそうに答えた・・・・・
「わかりませんが、幸せの何かを落としたことはわかるのです・・
それが何だか検討がつきません・・とにかく何か欠けてるような気がします
もし、頂けるならください・・・お願いします。」


女神は安堵の表情で笑った。
「わかりました・・あなたの落としたものを差し上げます。」


と言って女神は男にそれを贈った・・・プレゼント


男の幸せは何十倍にもなった。




女神はささやくようにつぶやいた・・・・・・

【不幸】を落とされた人はキラキラ幸福キラキラがわかりません」



もちろん・・男は、財産も名声も健康までも失った・・・


しかし、不思議な事に【愛情】は、失わなかった。

それは・・男は【愛情】には幸せを感じていたからだ・・・ラブラブ