四日市港管理組合では、四日市港の中長期的な方向性を示す、概ね10~15年後を目標年次とする『港湾計画』、概ね20~30年後を見据えた『長期構想』を策定しています。

 

 現在の『港湾計画』は平成23年に改訂されており、前回の改定から13年が経過しており、また、近年、世界の潮流となっている2050年カーボンニュートラルの実現や、昨今の気候変動による災害の激甚化・頻発化等、四日市港を取り巻く状況が大きく変化を見せていることから、令和6年度に『港湾計画』の改定を予定しています。

 

 その『港湾計画』の改定を想定し、このタイミングで新たな『長期構想』を策定することとし、今年度に『長期構想』の策定を進めています。

 

 これを踏まえ、四日市港管理組合では、「四日市港長期構想検討委員会」を設置しています。

 

 「四日市港長期構想検討委員会」は、四日市港に対する諸要請と今後果たすべき役割などを踏まえ、概ね20~30年後の長期的視点に立った四日市港の将来像やその実現に向けた取組の方向性等を検討し、助言を行うことを目的としています。

 

 こういった四日市港の新たな中長期的な方向性を定めていく重要な動きが、今進んでいます。

 

 物流機能の強化、カーボンニュートラルへの取り組み、物流の2024年問題への対応、背後圏産業との連携、みなとまちづくりの推進等、取り組まなければならない案件は山積みです。

 

 その中の一つに『臨港交通体系の充実・強化』があります。

 

 これは、四日市港霞ヶ浦南ふ頭~川越を結ぶ「臨港道路霞4号幹線」の南側延伸を想定しています。

 

 実は、現在の『長期構想』にも、「臨港道路霞4号幹線」の南側延伸の構想は記載されているのですが、構想止まりで具体的なルート等の突っ込んだ議論はまだ行われていません。

 

 しかし、今回、令和6年度に改訂の『港湾計画』には、ある程度具体的なルートを盛り込んでいくことを予定しています。

 

 「臨港道路霞4号幹線」の南側延伸は、四日市港の物流機能の強化は勿論、コンビナート間の連携強化、更には、慢性的な渋滞となっている国道23号の渋滞緩和にも繋がり、当地域に大きな効果をもたらす、ビッグプロジェクトとなります。

 

 その「臨港道路霞4号幹線」の南側延伸〔南伸道路〕に向けた具体的な検討を行う『四日市港臨港道路幹線に関する検討会』の第1回が2月6日に開催されました。

 

 『四日市港臨港道路幹線に関する検討会』には、道路が通ることが予想される等のコンビナートの企業各社、四日市港管理組合、国土交通省 中部地方整備局 四日市港事務所、オブザーバーとして三重県、四日市市も参加しています。

 

 当事業は、相当大きなプロジェクトになる為、国直轄事業化が必須であることから、国土交通省 中部地方整備局 四日市港事務所が検討会に参画した形で第1回目が開催出来たことは、大きな一歩を踏み出したといえます。

 

 当検討会では、「南伸道路の計画に関する情報の収集及びその提供」「企業及び関係行政機関間における意見交換」等をその目的としています。

 

 まだまだ、検討会が立ち上がったばかりですので、具体的な議論はこれからとなりますが、四日市市、そして三重県に大きな効果を生み出す南伸道路整備に向けた取り組みが動き出しました。