現在、四日市市の地場産業『四日市萬古焼』が厳しい状況に直面しています。

 

 世界的な電気自動車の普及に伴うリチウム需要の高まり等により、本市の代表的な地場産業である『四日市萬古焼』の製造に欠かせない原料である「ペタライト」の入手が困難な状況になっています。

 

 土鍋の国内シェア8割を誇る『四日市萬古焼』ですが、その特徴となる耐熱性に不可欠な原材料が「ペタライト」となります。

 

 「ペタライト」は熱膨張を抑え、ガス等の高火力で加熱しても割れにくいという効果を持っておりますが、今、安定的な確保が難しくなっているのです。

 

 背景には、『四日市萬古焼』ではこれまでジンバブエから「ペタライト」を調達していました。

 

 しかし、自動車のEV化により世界的にリチウム原料の需要拡大が起こり、リチウムを含む「ペタライト」鉱山が注目される様になり、その流れの中で、ジンバブエのペタライト鉱山が中国に買収され、昨年、ジンバブエからの「ペタライト」の輸出が停止してしまいました。

 

 現在、国内外から「ペタライト」の在庫を集めて、なんとか生産を継続していますが、来年にも在庫が限界を迎え、生産出来ない事態に陥る可能性があります。

 

 こういったことから、『四日市萬古焼』における「ペタライト」の安定的な確保や「ペタライト」の使用量(配合量)の低減に向けた研究開発を進めることが急務となっています。

 

 業界から、強い要望を受けており、三重県と四日市市が協力し『四日市萬古焼』産業の支援に現在動いています。

 

 11月には、一見知事と私が経済産業省吉田政務官に以下の内容を盛り込んだ要望書を届けました。

 

◆アフリカ・ジンバブエ共和国から日本への輸出の再開・継続や他のペタライト産出国からの調達ルートを確保出来るよう支援すること

 

◆代替原材料の開発やペタライト使用料のさらなる低減化などの研究が加速されるよう支援すること

 

 更に、四日市市においては市独自で、現在開会中の11月定例月議会に『四日市萬古焼』の製造事業者で構成される萬古陶磁器工業協同組合に対して、原料の配合等の研究にかかる費用の一部を補助を行う「萬古焼生産安定化支援事業補助金」の補正予算を上程しています。

 

 この深刻な局面を打開出来るよう、地場産業『四日市萬古焼』を関係者と力を合わせ、支援をしていきます。