四日市市では、現在、近鉄四日市駅周辺からJR四日市駅までの中央通りを中心とした約1.6kmのエリアを対象に、『中心市街地再開発プロジェクト』を進めています。

 

 近鉄四日市駅周辺では、国直轄事業となるバスターミナル『バスタ四日市』、スターアイランド跡地への『新図書館』、それらと近鉄四日市駅を直結する『ペデストリアンデッキ』の設置が進んでいます。

 

 一方で、JR四日市駅周辺では、昨年度、JR四日市駅前の再開発施設への大学設置の検討を行っていくことを表明しています。

 

 その大学設置に関する動きが今年度から本格的に始まっています。

 

 今年度、四日市市では有識者等で編成される『四日市市大学構想策定委員会』を発足させ、大学設置に向けた基本構想を策定していきます。

 

 大学については、従来より産業界から、地域の産業を支える人材育成(大学設置)の要望が出されており、本市の産業特性を踏まえ製造業の技術革新を支える人材や情報・通信分野の人材を育てられる教育機関が求められています。

 

 こういった点から、理工系の学部設置を視野に入れています。

 

 その『四日市市大学構想策定委員会』の第1回が5月24日、第2回が7月10日に開催されました。

 

 第1回では、大学を取り巻く現状を整理、本市への大学設置方針や他都市の事例を共有、企業や学生に対して実施するアンケートについて意見交換を行いました。

 

 第2回では、企業・学生へのアンケートの結果共有と企業関係者に出席を求め、直接ヒアリングを実施しました。

 

 設置される大学においては、産業都市、四日市市としての強みを活かす為、地元企業との連携が重要なポイントとなることから、しっかりと企業のニーズを把握しておく必要があります。

 

 『四日市市大学構想策定委員会』は、全5回を予定しており、基本構想の中で大学の設置主体や今後のスケジュールを取り纏めていきます。

 

 なお、関係機関との協議状況ですが、大学設置検討の表明後、近隣大学の意向調査等を行い、暁学園(四日市大学・四日市看護医療大学)、三重大学との協議を進めている一方で、名古屋圏における私立大学からも興味があるとの回答を頂いており、広域で意見交換を行っています。

 

 そして、三重県が検討を進めている「県立大学」の設置については、当初、県は昨年度に方向性を示すとしていましたが、今年度も議論を継続する方針が示され、現在、新たな有識者会議の下、議論が行われています。

 

 ただ、その着地点が読めない状況になっています。

 

 また、四日市市として市立大学の設置の可能性も検討の対象となっています。

 

 加えて、文科省ではデジタル・グリーン等の成長分野を牽引する高度専門人材の育成に向け、(私大・公立大学)学部(学位分野「理学」「工学」「農学」関係)等の組織再編に要する初期投資や当面の運営経費等を継続的に支援するために基金(今後10年程度公募、1件あたり数億円~20億円程度)を創設しており、国としても成長分野への大学再編には強力な支援を行っていくこととしています。 

 

 引き続き、既存大学の移転・拡充や県立大学の誘致、市立大学の設置も含め、あらゆる可能性を排除せずに検討を行っています。

 

 JR四日市駅前に大学が設置されれば、中心市街地への若者の流入にも繋がり、まちなかの賑わいにも繋がります。

 

 大きな可能性を秘めたJR四日市駅前再開発における大学設置についても着実に進めていきます。