2月10日の2月定例月議会初日における、令和5年度の「所信表明」の場において、四日市市が2050年までに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量の実質ゼロを目指す『ゼロカーボンシティ宣言』を行いました。

 

 『ゼロカーボンシティ』とは、環境省により「2050年までに二酸化炭素(温室効果ガス)排出量を実質ゼロにすることを目指す旨を、首長自らが又は地方自治体として公表した地方自治体」と定義されています。

 

 実質排出量ゼロとは、CO2などの温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と、森林等の吸収源による吸収量の合計が実質的にゼロにすることを意味します。

 

 四日市市は産業都市として発展し、現在も地域産業が活況であることから、温室効果ガスの排出量は他の自治体に比べ多い状況にあります。

 

 これを、温室効果ガスの排出部門で見てみると、産業部門からの排出割合が全国平均が30%程度であるのに対し、四日市市は74%と産業部門の排出割合が全国平均に比べ非常に高い水準となっています。

 

 ですから、本市におけるゼロカーボン(カーボンニュートラル)を達成しようとすると、産業部門での大幅な排出量削減が必須となってきます。

 

 これまで、多くの自治体が『ゼロカーボンシティ宣言』を行ってきましたが、本市としてはパフォーマンスの宣言では無く、目標達成の為の方向性の明確化や市民、事業者等の機運の醸成を図った上で、実効性を伴う宣言としたいとの思いがありました。

 

 一方で、昨年3月に四日市市が事務局を務め、三重県、四日市市、コンビナート企業、エネルギー企業、学識経験者等が参画する『四日市コンビナートのカーボンニュートラル化に向けた検討委員会』を発足させました。

 

 そして、4回の委員会を開催し、今後の四日市コンビナートにおけるカーボンニュートラル実現に向けての将来のグランドデザインやそのロードマップを取り纏めました。

 

 また、私が市内全24地区を回り実施している「地域づくり懇談会」の場でも、本市のカーボンニュートラルの取り組みについてのプレゼンテーションを全地区で行い、市民の皆さんに市の方針・考え方について説明を重ねてきました。

 

 こういった取り組みを推進してきた中で、ゼロカーボンシティへの一定の機運が醸成されたと判断し、この度『ゼロカーボンシティ宣言』を行いました。

 

 今後、現在改定を行っている四日市市環境計画にて、本市としての中間目標である2030年におけるの温室効果ガスの削減目標を定め、その目標達成の為の施策の積極的に展開していきます。

 

 「カーボンニュートラル」への取り組みは、本市の環境、産業に関わる重要なものとなる為、市民、事業者、行政が一丸となって、強力に推進していかなければいけません。

 

 四日市市は環境先進都市を目指して、挑戦し続けます。

 

 

【四日市市ゼロカーボンシティ宣言】

 四日市市は、西に鈴鹿山脈、東に伊勢湾を望むすばらしい自然に 恵まれ、また、臨海部には石油化学コンビナートを中心に多くの企 業が立地しています。

 

 このように、本市は日本のものづくりを支える重要な産業都市と して発展してきた一方で、深刻な四日市公害が発生し、多くの人が 健康被害などに苦しみました。

 

 その後、市民、企業、行政が一体と なり、環境改善のまちづくりに取り組み、「環境先進都市」を目指 してきました。 

 

 近年では、環境問題の中でも地球温暖化による気候変動の影響 で、豪雨や猛暑などによる気象災害が増加しています。

 

 このような 中、日本政府は2050年までに二酸化炭素をはじめとする温室効 果ガスの排出を実質ゼロにする、2050年カーボンニュートラ ル、脱炭素社会の実現を目指すこととしています。 

 

 本市としても、四日市公害の歴史と教訓を踏まえて、脱炭素への 取組を強化し、将来にわたり四日市市の豊かな自然環境を次の世代 につないでいく必要があります。 

 

 そこで、2050年までに二酸化炭素をはじめとする温室効果ガ スの排出量実質ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言し、そ の実現に向けて、市民や事業者と一体となって全力で取り組んでま いります。 

 

令和5年2月10日  四日市市長     森 智広