以前のブログにて、視察先レポートという形で平成23年度に中核市に移行した「高崎市」の事例を参考に、中核市移行のメリットを紹介させて頂きました。

(⇒「【視察報告】「中核市」になるという事 〔事務権限増大により高度な自治体運営を行う〕http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11459339168.html


 県からの更なる事務権限の移譲を実現させ高度な自治体運営を成し得る為に、四日市市においても可及的速やかな中核市への移行が必要であると述べました。


 中核市の指定条件は、『法定人口が30万人以上であること』ただ一つです。


四日市市の人口は、平成17年の旧楠町との合併において31万人を超えました。


 とすると、四日市市は平成17年の時点で中核市への指定要件を満たしているのです。


しかし、現在においても、「中核市」への移行を成し得ていない。


それは、なぜか。


それは、三重県、そして四日市市が抱える『産廃問題』が大きな要因と言えます。

1年程前のブログでも紹介しましたが、四日市市は大きく以下の4つの産廃事案を抱えています。

(⇒「四日市が抱える産廃問題http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11081828301.html


●大矢知・平津事案

●内山事案(2事案)

●下海老事案


 中でも、「大矢知・平津事案」「内山事案(2事案)」については、今もなお、後処理を進めている段階です。

 先日のブログでも紹介しましたが、「中核市」に移行すると事務権限として、「産業廃棄物業の許可権限」が県から市に降りてきます。


 現在、上記の産廃問題については全て三重県の責任で進めていますが、四日市市としては中核市に移行すると産廃問題の責任が同時に市に降りかかってくるのでは無いかという危惧があります。


上記の産廃事案は規模も大きい為、莫大な費用が掛かる事が推測されます。


 産廃に関する権限が市に移ったとしても、県が責任を負っている期間に発生した産廃問題は県の負担で解決するのが通常の考え方だと思います。


 平成18年7月に市と県は以下の確認書を交わしています。


『産業廃棄物不適正処理事案及びフェルシルト事案について、廃掃法に基づき、三重県が本来果たすべき責任を、四日市市が中核市に移行した後においても引き続き果たす。


 この確認書がある為、四日市市が中核市になっても県から理不尽な責任の押し付けは無いと思われますが、平成18年にこの確認書が交わされたのみで、以降、県と市の具体的な責任の所在を明らかにする覚書は交わされていません。

 平成18年の確認書があるものの、産廃問題に関する県と市の具体的な責任の所在を明らかにした覚書が交わされなければ、市としては理不尽な責任を負う可能性が残る為中核市移行に踏み切れないのです。


 ですから、市議会としても一刻も早く県との覚書を交わす事を求めていますが、県と市の協議が遅々として進んでいない状況なのです。


 この様に、県と市の駆け引きの中で、中核市への移行が遅れているのです。


一刻も早く、県は自らの責任を認め、四日市市の中核市移行に向けて話を進めていくべきと考えます。