暑いなかではありますが、TV東京の「新美の巨人」でソールライター展の紹介をしていたので、渋谷ヒカリエまで出掛けてきました。

渋谷は大規模な再開発が進行中なので、駅や街の歩き方が頻繁に変わり、落ち着きません。生きているうちに、完成形をみることは難しいでしょう(笑)

ソールライターは、カラー写真を初めて芸術として認めさせたアメリカ人の写真家です。
父親が高名なユダヤ人ラビだったので、彼もユダヤ教の神学校に進んだのですが、印象派やナビ派、広重や北斎等浮世絵の影響を受け、親の反対を押しきって画業に転向したそうです。
後に写真に向かいますが、生活のためファッション雑誌の撮影を始め、類いまれな色彩と構成で高い評価を受けました。
当時のカラー写真はモノカラーより低い評価にあり、芸術とは認められていなかったそうです。
色彩がとてもきれいで、モデルの背景のセンスが1950年代の作品としてはぶっ飛んでいます。





ファッション雑誌の仕事は高い評価にあったものの彼のやりたいことではなかったようで、60年代にはニューヨークの市井生活の中の美を撮る生活に変わっていきました。
当然生活に困窮し、家賃も払えないような生活だったようで、やがて世間から忘れられていきました。

雨の日、曇った窓ガラスの向こうに見える通行人の姿、ジャポニズムを感じます。



雪景色、浮世絵の影響を感じます。



市井生活を切り取る感覚がこう来たか❗という感じ



カラー写真芸術の元祖なので、絵画、写真には色彩が一番大事としていたそうです。
絵画ではモネの研究に熱中していたそうです。


近年、ソールライターの再評価が進んでいるとのこと、筆者も「新美の巨人」を見て回顧展に走りました。写真展に行くことはあまりないのですが、いい勉強になりました。
なお、会場は写真撮影可でラッキー🎵