「おはよ。頭痛い。」
「アンナおはよ。昨日は珍しく飲み過ぎたみたいだね。はい。お水」
苦笑いをして水を受け取る。
「あっ!センターに電話しないと。」
「泰ちゃんがしてくれたみたい。午前中までお休みするまで全部してくれたよ。こんなに気が利く優しい子って居ないよ。あんたは幸せ者よ」
「はいはい。私は幸せ者ですよ。もう少し寝るね。11時に起こしてね」
そう母親に伝え部屋に戻った。
「アンナ~。時間だよ。お母さんパートに行くからね。また帰りたくなったらいつでも帰っておいで」
「う、うん。」
寝ぼけ眼で返事する。
けたたましいアラームで飛び起きる。
「やばっ。お母さん起こしてくれてないじゃん! もう!うるさい!」
目覚まし時計を止める。
「これ。」
高3の誕生日に恭太からもらった誕生日プレゼント。
「無意識にセットしてたんだ。かなりお世話になったなぁ」
思い出に浸りながらも時計を見て急いで施設に戻った。
「アンナちゃ~ん。おかえり」
瑞穂が出迎えてくれる。