悲しさと、悔しさが混じり合って腹が立っていた。
何度も恭太から着信やメッセージが来ていた。
恭太は、アンナを探していた。よく集まっているファミレス。友達のバイト先。どこにも居ない。
「アンナ・・・。アンナ。謝るのは俺の方なんだって」
アンナの友達が
「もしかして、あそこかも!」
アンナのお気に入りの河川敷を教えてもらった。
周りはカップルだらけ。その中に一人でベンチに座る女の子。
「アンナ!!」
人目を気にせず叫ぶ恭太。
「なんで?彼女は?良いの?」
「こんなに冷えて。お前って本当に馬鹿だな」
不安と安心で泣き出すアンナ。
「アンナ。ゴメン。さっき見た人は、彼女でも何でも無いんだ。兄貴の彼女。俺が好きなのはアンナだけ。アンナ以外考えられない。」
「えっ?ちょっと整理できない。」
照れた顔が隠しきれない。もじもじ始める。
思わず笑い出すアンナ。
「まだ何も言ってないのに笑うなよ。雰囲気台無しじゃん」
「ゴメン(笑)」
大きく息を吐き、真剣な顔でアンナを見つめる。
「二度と言わないからな。」
コクリと頷くアンナ。
「俺、入学式の時からアンナに助けてもらうばっかりだった。時々鬱陶しい時もあったけど、気がつけばアンナを目で追っていた。他の男子と仲良く話しているだけでめちくちゃ嫉妬した。思わずキスした事は謝る。ゴメン。そこから急に距離を置くようになった時、めちゃくちゃ不安になった。でも気づいたんだ。俺、アンナのことマジで好きなんだ。って。だれにも渡したくないって。だからこの瞬間から俺の彼女になって欲しい。」
気がつけばアンナはボロボロ泣いていた。
「泣くなって。ゴメン。もう泣かしたりしないから」
優しく抱きしめる。