紀伊勝浦駅に着いてから荷物をロッカーに預けて、
駅前にちょうど止まっていた新宮行きのバスに飛び乗りました。

降りたバス停は那智。
JR那智駅の前です。

目的地は補陀落山寺です。

熊野はいまだに神仏集合の名残で
この熊野三所大神社の隣に補陀落山寺があります。

photo:01



鳥居の脇の樹齢800年といわれる大楠。
鳥居の大きさと比較してください。
でっかい( ̄◇ ̄;)

photo:02



あまり有名ではない感じがしますが、補陀落山寺は
世界遺産に登録されているのです。

photo:04



お寺の人のお話ですと、補陀落渡海という世界でも類をみないものが
あったからでしょうとのことでした。



補陀落渡海…

僧侶らを生きたまま船に閉じ込め、外から釘を打ち、
わずかな食料とともに観音浄土へ旅立たせる。


井上靖が書いた小説『補陀落渡海記』の題材にもなった話があります。

補陀落山寺の住職金光坊は、代々住職が61歳の11月に補陀落渡海をするという、

『自分の意思とは別に、なってしまった慣例』

に思い悩みながらも渡海を決意します。

しかし、船が海に出てから板を破り脱出して、島へ泳ぎついてしまいます。
それを発見した村人たちは再び金光坊を船に押し込め流してしまう。
という残酷なお話です。

その小説の中でも登場する本尊の千手観音様。

その観音様をぜひ拝観したいと思い、ここまでやってきました。

普段は観音様のお厨子は閉じられていて拝観することはできないようです。

ご朱印をお願いしたときに、おそるおそる聞いてみました。

あのう…今日はお厨子は開けていただけないんでしょうか。


お寺の方がチラと上目遣いでみながら

どこから来たの?電車で来た?

あ、東京です。電車ですと答えると、

興味あるの?
実は…拝観できますよ。500円いただきますが…


ということでお厨子の扉を開けていただけました。

写真ではよくわかりませんが、耳の後ろに二面をつけた三面千手です。
この二面が両方とも忿怒面であることも珍しいです。

それでもこの観音様は補陀落渡海のイメージとは全く違って
かわいい方だなあ、というのが印象でした。

お寺の方の説明ではホントは国宝になってもおかしくないんだけど、
光背が違うんですよね。
と、残念そうでした。

photo:08


絵はがきより

photo:09




境内には復元された補陀落渡海船が展示されています。

photo:05



photo:07



渡海船の上に立つ4つの鳥居は「発心門」「修行門」「菩薩門」「涅槃門」。
修験道の葬送作法によると、死者はこの4つの門をくぐって浄土往生すると考えられているそうです。

波の荒い熊野灘ではこんな小さな船ではすぐに波に飲み込まれ沈んでしまうんでしょう…


しかし観音様にもお会いできて感動でした。
こんなに遠くまでやってきた甲斐がありました!



iPhoneからの投稿