先日は仕事がらみの人達と、暑気払いの飲み会だった。
出席者の中には、すでに80歳を超えたお爺ちゃんが二人いる。
おじいちゃん達はとても元気な高齢者だったが、半年くらいまえから
急に衰えが目立つようになってしまった。
この日は、宴会が終わったあと、女性比率が圧倒的に低い我が社の
裏組織として存在している「飲酒部」は、靖国神社のみたま祭りに行く
つもりだったが、急きょ、「介護部」として活躍するはめになった。
宴会の途中でうたた寝を始めた一人のお爺ちゃんは、寝転んでしまい、
なんとか起こして、タクシーに乗せることに成功した。
次は、残る一人を千葉のI市まで帰さなくてはならない。
電車に乗せたら、座らせたい。
しかし、シルバーシートは、体の大きな人達に占領されていた。
お爺ちゃんは、ヨロヨロと他の場所に行き、座っている女の人の前に立った。
女の人は、チラと上目で見て、
なんでアタシの前に立つのよ。
という顔をした。
目の良い飲酒部長が遠くに空席を見つけて、ささーっと見に行ったが、
しかめっ面をして帰ってきた。
どうやら、長期間お風呂に入れない事情の人がいるようで
その周辺の席が空いてたらしい。
そういえば電車が走り出すたびに、芳しい匂いがしてくる。
次の駅に着いて、やっと座席が一つ空いた。
お爺ちゃんが座ろうとして歩いて行くと、それよりも素早く
リュックを背負った若いニイちゃんが来て座ってしまった。
一人の高齢者を座らせようと、介護部員は頑張ったが
誰一人席を譲ってくれる人はいなかった。
それどころか、真ん前に座っていた三人は、一斉に寝たふりを始めた。
さすがに火焔後背がメラメラと燃え上がり、
天地眼で車内を見まわしてみた。
すると、この人たちは知らんぷりをしているんじゃなくて
見てない。
無関心なんだ。
ということに気付いた。
寝ていたり、携帯を見ていたり、本を読んでいたり。
誰も私たちのことなんか見ていなかった。
自意識過剰だった。
無関心…興味を持たないこと。
という意味だけど、周りにいる人たちに関心がない。
知らない他人だから
これでは周囲に対して気遣いができるはずはない。
人に対して関心のない人は
人に 感心 することもないんだろうな。
無関心を乗せた電車は走り去った。
