おはようございます。
連日のブログですが、昨日驚くことがあったのでお話しようと思います。
皆さんもご存知の通り、成田→セブのUNITED航空が関空に緊急着陸し、緊急脱出を行いました。
私はその頃フライトをしていて、会社から「関空が緊急着陸機で閉鎖している」という一報が入りました。
私のフライトは関空が目的地でも代替空港でもなかったのですが、関空閉鎖とは何事か??と副操縦士と驚きました。

そして同時に、「この感覚、身に覚えがあるな…あ、あの時だ」と思い出したのはまだ記憶に新しい、羽田のJALと海上自衛隊の衝突事故のことでした。
今回は何も詳しい情報が入らない中、ひたすら無事を祈りながら自分のフライトを完遂しました。
到着して情報を取ると、ニュース記事のようにカーゴスモークによる緊急着陸で、さらに緊急脱出を行ったということでした。
けが人はおられたようですが、最悪の事態ではなかったので胸を撫で下ろしました。
やはり緊急脱出を伴うと、空港が長時間閉鎖されるのです。羽田もそうでした。滑走路が複数あるからといっても、緊急事態への対処の体制を考えると他機の運航を停止し、空港を閉鎖せざるを得ないのです。
そして、カーゴスモークは本当に危機的な状況です。
UNITED航空のB737-800はETOPS仕様なので、通常のB737よりも貨物火災に対する抑止効果が持続する時間も長くなっていますが、最寄りの関空に緊急着陸したことは当然ですし、十分な火災抑止効果保証時間内の行動です。
しかしカーゴスモークが厄介なのは、何が起こっているか目で見ないことです。警告が出たということは、実際の状況がどうであれ(見えないので)、いち早く着陸し、旅客を機外へ避難させなければなりません。
まだ原因や詳細はわかりませんが、フライトクルーの判断や行動は非常に迅速で、状況をしっかり認識した上でのプロフェッショナルな行動だと思います。
スライドでの避難に関しては、毎回けが人が出るなど課題山積ですが、機体構造の問題もありますし命を守るための緊急用ということで、なかなかパーフェクトなものがない状況です。
毎回皆さんにお願いすることですが、緊急脱出の際には(もっともそんな事態に陥らないように祈るばかりですが…)、荷物をもたずに順番に速やかに、を必ず守ってください。
皆さんの命が一番大切です。
今回の緊急着陸で、最悪の事態が起こらなかったことに本当に安堵しています。
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