こんにちは。
いつもありがとうございます。
今日からは管制(ATC)についてお話してきます。
旅客機は通常、管制機関と交信をしながら飛行を行っているわけですが、それについてのお話です。
エアバンドを聞かれる方ならば良くご存知だと思いますが、「管制官と交信している事は知っているけど、どこと何を話しているのかよく知らない」という方にも分かりやすくお話しますね。
管制についてお話する前に、まずは「フライトプラン」について見ていきましょう。
旅客機を運航する上で欠かせないのが、「フライトプラン」と言われる「飛行計画書」の提出です。
簡単に言うと、「フライトプラン」とは「この便はどこからどこまで、どれだけの高度でどれだけの燃料を持ってフライトしますよ」ということを管制側に「登録」するものだ、というイメージです。
「この飛行機はどこに向かっているのか?」という正体不明機を無くすことが目的ですね。旅客機はもちろん、セスナなんかの遊覧飛行も提出する必要があります。ただしタッチアンドゴーのような局地飛行は提出しなくても良いことになっています。
この「フライトプラン」には定まったフォーマットがあるのですが、記載する内容は以下のとおりです。
a.航空機の国籍記号、登録記号及び無線呼出符号
b.航空機の型式及び機数
c.機長(ただし、編隊飛行の場合は編隊指導者)の氏名
d.計器飛行方式又は有視界飛行方式(以下「VFR」という。)の別
e.出発地及び移動開始時刻
f.巡航高度及び航路
g.最初の着陸地及び離陸した後、当該着陸地の上空に到着するまでの 所要時間
h.巡航高度における真対気速度
i.使用する無線設備
j.代替空港等(IFRによる飛行であって代替空港等を定めない場合 又はVFRによる場合は不要)
k.持久時間で表された燃料搭載量
l.搭乗する総人数
m.その他航空交通管制並びに捜索及び救助のため参考となる事項
なかなか面白い内容だと思いませんか?
特にボールドで示した「機長の名前」「対気速度」「耐久時間」「総人数」ですよね。
フライトプランには、最初に示した「誰がどこを飛んでいるのか」ということを把握するためのみならず、なにかトラブルがあった際にも捜索救難機関が迅速に行動できるための情報も記載することになっています。
みなさんが普段乗られる旅客機も必ずこの「フライトプラン」が作成され、管制に提供されています。
皆さんが乗務員の数を含んだ総人数のうちの一人になって管制に提供されている、という事実はなかなか感慨深いのではないでしょうか?
機長の名前がプランに記載されるというのも改めて責任を感じるところです。
次回からはもう少し詳しくフライトプランについて見ていきましょう。
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