おはようございます、今日は話題を戻してゴーアラウンドについて。

 

 

前回は判断の重要性やStabilized Approachについてお話しました。

今日は実際にゴーアラウンドをするに際してどのような操作をしているのかをお教えします。

 

ゴーアラウンドを判断すると、

:スラストのTOGAスイッチを押すか、TOGAポジションに持っていってゴーアラウンドパワーにします。

:ピッチを上げます。

:FMA(Flight Mode Announciator)を相互で確認します

同時に

:FLAPを一段階上げます。

これは、着陸フラップではゴーアラウンドで要求される上昇勾配を満足できないためです。

:上昇率を確認してギアアップします。

:ATCに通報します。

 

これを5秒ぐらいでPF,PMのコーディネーションをとって行うのでとても大変です。

 

また、ゴーアラウンドをするためにTOGAスイッチを押すとオートパイロットが外れてしまう飛行機もあり、マニュアルでの操作は更に大変です。

 

接地間際でゴーアラウンドを行う場合、最も注意しなければならないのは「Tail strike」です。

 

「Tail skid」というものをご存知でしょうか?

(これはコンコルドのTailskidです。これはギアがついてますね)

 

お尻を擦りやすい飛行機に装備されていて、万が一滑走路と接触した際にもTail sectionにダメージを与えないように、中にカートリッジが装備されていて衝撃を吸収するような仕組みです。

 

この「Tail skid」を含め、日本ではお尻を滑走路に接触させると「重大インシデント」と認定されてしまいます。

 

ゴーアラウンドのときに「Tail strike」してしまった事例は日本でも何回かあります。

 

特に多いのが「Bounced Landing」のあとで、つまり一度接地した後に再接地を避けようとするためのゴーアラウンドの際です。

 

そのため、現在では私達が定期的に受ける訓練でもそれを避けるようなトレーニングが追加されているところもあります。

 

 

 

このように、ゴーアラウンドを行うにあたり、たくさん気をつけることがあります。

それ故、昔は着陸を強行してしまうパイロットも多かったと聞きます。

しかし、現在は以前お話したSTABILIZED APPROACHを重要視し、躊躇なくゴーアラウンドを行うことになっています。

 

しかし依然として上記のような注意事項があるため、パイロットは常にゴーアラウンドのことを頭に入れながらアプローチをしています

 

Hide