おはようございます。


いつもありがとうございます。


こんなニュースがありました




このニュースを読んで、結構当たり前のことを言っているなぁという印象でした。


一方的なブリーフィングは良くない、双方向コミュニケーションを!というのはずっと昔から言われていたことでして。。。


私は事情はよく知りませんが、数あるインシデントを総合して施す対策としては若干曖昧な気がします。


私個人の考えですが、様々な連続するインシデントの裏には「疲労、疲弊」があるのではないかと思っています。

もちろん、技倆や相互確認、コミュニケーションの問題も大きいのは事実ですが。


非常に難しい天候の日本で、貧弱なアプローチ方法しか無い日本の空港で、1日4回、5回の離着陸を何日も連続で実施し続けるパターンでは疲労が蓄積して当然です。


しかし、どう考えても一部を除く日本の航空会社では「疲労」をいまだに訴えづらい現状があるのではないかと思います。「自分が休んでは同僚やお客様迷惑がかかる」という気持ちが先行したり、「彼はよく疲労を訴えて乗務を交代させる傾向がある」と噂される(本当にしているのかは分かりませんが)のを恐れたり、、、会社の体制として、「疲労が蓄積しづらいフライトパターン」を基本としたり、「交代要員の充実」に力を入れたりすると全然違うのでしょうが、どうしても経営による「コスト抑制」が先行してしまっているのではないか、と危惧しています。経営が、日本人の「勤勉さ、責任感の強さ」に頼っている現状は大いにあると思います。


世界的にはFRMといって、疲労リスク管理の考え方が広がっています。

もちろん日本でもあって、JALのサイトにその簡単な説明が載っています。


https://www.jal.com/ja/safety/fatigue-risk-management-program/



諸外国に比べ、日本人は働きすぎです。

それはパイロットも同じです。


そして現在、国による疲労リスクマネージメントの考え方が導入されてはいますが、それはあくまで「上限」であって、本来はそのはるか内側に社内規定で上限を持ってこないと意味がありません。実際に 「上限」

の数字を見ると、「これ一回ならいいけど、連続ならきついでしょ」と思いますし、何なら「一回でもこれ無理ありすぎでしょ」と思うものもあります。


しかし、日本ではコスト至上主義のあまり、その「上限」で運用したがる傾向があります。「上限で運用=疲労が蓄積しない」わけはないのです。


疲労リスクマネージメントについては、国土交通省の資料があるのでまた海外との比較をしたいと思います。

ちなみに昔に書いた記事はこちら。



乗客は誰も、「疲労している」パイロットのフライトには乗りたくないと思います。

社会全体としてもそうですが、「ヘトヘトになるまで働くことが美徳」とされる文化は当てはまらない場所(あるいは時代)もある、と分かった上で「コストより大切なものは何か?」に一刻も早く気づくべきだと思います。


何度もいますが、今回の連続するインシデントの原因が「疲労」だとは言われていません。

あくまで「パイロットとしての視点」で、自分でも気づかない「疲労が蓄積」して普段やらないようなミスをしてしまうこともあったので、この機会に日本の航空会社の現状についてご紹介しました。


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