世界中で、私にのみ、とある疾病があり

もしも会合などがあれば、新たな感染者を見つけて淡い絶望に襲われるのだと思う

私だけの病なのに、他の人間も罹っているという事実が恐ろしい。

この病の最も恐ろしい部分はそこで、私だけが独占できた症状を、共感されてはたまらない。


ただ、まだ私が優位的な立場なのである。

ボタンを押せば、あらゆる対象と隔離し、私だけが罹って良くて、そして罹っているという事実を見ることができる。


ウイルスはいつ私の扁桃腺を通るかはわからないが、それが通った時、恐ろしいほどの胸の苦しさに見舞われながら、頭部全体が赤くなり、失神する。

これが不幸とされるのならば、一生みんなそれを遠ざけていると良い。不幸を恐れると良い。どうか恐れてください。忌み嫌っていただきたい。

嫌って、捨ててよ。一度手をつけるくらいなら、嫌だけれど、目を瞑るとして、もう二度と見たくないと本気で感じて欲しい。

これは私のささやかな、とてもとても強い祈りである。


もうどうか、誰も気付かないで。黙認して。

いいから。私のことは目もくれないで、目の前の相手の誠実さを図るゲームだけをしていて。