末木文美士氏の「日本仏教史」を読んでいると、「沈黙」を読まれてみると良いと書いてらっしゃった。

沈黙は実話に基づいた、隠れキリシタンのお話なんですがね……でも、理由がわかります。


九州には、隠れキリシタンの歴史が長崎をはじめ、いたる箇所にございます。

かつてキリスト教は、日本国にとって異端でした。

布教で来日した神父や、信仰する日本民は、処刑や拷問を強いられた。


夢いっぱいで布教に来たが、拷問を強いられた主役。

目上の神父様が目の前で、さらされたり、拷問の恐怖で信仰を止めたりするのを目の当たりにし、「神はいらっしゃるのか?」「信仰とは何か?」を考える。

絶体絶命の時、Jesus様なら奇跡を起こし、助けてくれるだろう…

Jesus様が奇跡を数々起こしたように…と思っても、答えも、声も聞こえて来ない。

沈黙。


神は居るのか?

居ないのか?

信仰も色々で、それぞれに崇める神や仏が絶対的らしい。


信仰はしないが、写経の時に仏様の前で、ふと考えることも有る。

婆になっても、答えなんてわからないと思う。

でも最近、神は個々の心のなかに在るのではと思う。

沈黙し、心のなかに。



沈黙

著者:遠藤周作

新潮文庫