私の好きな作家、林芙美子さんを引き続きご紹介
当時、「放浪記」がベストセラーとなり、印税をロンドンとパリ滞在に費やした林芙美子。
しかも、その頃は結婚をしていたので、御主人を日本に残して単身で渡っています。
その時の滞在記がこの、巴里日記です。
異国での一喜一憂、秘密の恋もあったようです。
喜怒哀楽が伝わります。
例えば、こんな小遣い帳も残されています
「6日 日曜日
メトロ のみの市まで 1.40フラン
栗 1.00フラン
ムールと云ふ貝とブドウ酒を呑む 4.25フラン
メトロ ダンヘルまで 1.40フラン
切手 .50フラン
栗 アパートのマダムに半分やる 2.00フラン
モンマルトルのヱハガキ 4枚 2.40フラン
蚤の市はとても面白かった。
かへりモンマルトルの丘の上を歩く。
日本へかへりたくなつた新宿に似た町があつた。
一フラン六冊もある雑誌をかつた。 」
秋の休日、お気に入りのカフェで1冊、如何でございましょうか?
林芙美子
巴里の恋
著者:林芙美子
中公文庫
価格:781円(税別)