□死んじまえ

先日、私の母親から夜の11時過ぎに電話があったらしく、すでに熟睡
していた為に留守電が入っていた。

内容は完全に酩酊していると判る口調で、電話に出ないことへの怒り
を喚き、そして最後に「死んじまえ」と言って録音はそこで切れていま
した。

以前にもこの様なお話をこのブログで書いたと思いますが、私は小さ
な頃からこの母親には大変悩まされて育ってきたという過去がありま
す。

身内の恥を晒すのもどうなんだろうと思いましたが、実はこの一件は
母子、あるいは親子の関係を考える上でとても参考になる出来事なの
で、敢えてエピソードとして載せることにしました。


□与えるということ

慣れというものは怖いもので、今言ったような「死んじまえ」という呪いの
ような言葉も、私は小さな頃から言われ続けてきましたが、今は何とも
思いません。これは交流分析で構造が理解できたお陰で、感情的に
対応する事がなくなったのが一番の理由です。

また、こういった相手に対する酷い言葉というのは、ときに人を傷つけ、
そしてこころに深い溝を刻み込みます。

専門的には「ディスカウント」と呼ばれています。

このような行為は、決していい結果を出しません。当然です。では逆に
相手に対して、「うれしいな」「楽しいな」と思わせるような言葉や態度と
いうものはどういう時かを考えてみましょう。

「お前が産まれてきてくれて、本当にうれしいよ」

こう言われて嫌な気持ちになる子は居ません。わたしは愛されていると思
うはずです。

このような言葉かけは、交流分析において「ストローク」と呼ばれています。

与えるというような意味があります。ストロークはとても大事なこころの栄養
素みたいなもの。与えすぎるというような事はありません。

いい結果を出した時、「よくやったね!」と声を掛けてあげるだけで、人はもっ
と頑張ろうと思うのものです。

言葉だけではありません。体に触れてあげるだけでもストロークになります。
私はポンと肩を叩かれると、とてもいい気分になります。

言葉にせよ、体に触れる事にせよ、共通するのは「自分という存在を認めて
もらった」ということではないでしょうか。

わたしはここに存在しているんだ。意識的、あるいは潜在意識下で自分という
存在が認められたと思うことはとても大切な事。

ちなみに人間は生まれてから最初に自分というものを認識するのに、授乳時
に母親の乳房と、自分の唇が触れ合うことで確認すると言われています。

まだ言葉も理解できないわけですが、ちゃんと唇を通して外の世界との繋が
りを確認しようとしているんですね。

またちょっと怖い実験ですが、成人を真っ暗な箱の中に閉じ込め、音もない
空間で過ごさせると、ものの何時間かで精神的におかしくなってしまうそうで
す。

だから、人は自分というものを常に確認していないと生きていけないのです。



□大切なこと

少しお話が長くなってしまいましたが、大切なことは何なのか?もう一度整理
してみましょう。

冒頭わたしの母親の話をしましたが、特にご自分のお子さんに対して存在を
根底から否定するような言葉を浴びせるのは、百害あって一利なしです。

もちろん私の母親のようなタイプは稀でしょうから、あまり参考にはならないと
おもいますが、大なり小なり子どもに対してディスカウントを与えてしまったとい
う経験があると思います。

しかしそれは失敗と思わず、是非ストロークとはどういうものかということをもう
少し深く学び、そして理解し、どんどんお子さんに与えていってあげましょう。

最後に、もうひとつだけ大切なことがあります。

それは自分です。自分に対してもストロークをあげてください。そして素直に
他人からのストロークを受け取れる状態にしておきましょう。

そうすることによって、より多くのストロークを与えることができます。

そして.....
自分を大切にしている人は、相手に対しても大切に出来る人。

あなたは、それが出来る人!