<前回の続き>
再上昇から10分ほどして機内アナウンスが流れた。
機内アナウンス「機長です。地上の天候状況がさきほどより良くなったとの連絡がありました。当機は再度高松空港に着陸を試みます。着陸は10分後の予定です。」
『10分?周回コースって結構高松から離れてるんだろうか?』
10分でジェット機が飛ぶ距離といえばかなりの距離だ。
窓の下には地上の光が見えている。
『お、これだけ景色が見えれば今度はいけるんぢゃないか?霧の隙間に入れれば、降りれるだろうな。』
やがて減速している感じがしてガコン!と車輪が出る振動が伝わってきた。
ここから5分くらい。
窓の外には明かりが見える!町の明かりと走っている車のライトだ。もう地上はすぐそこだ。
『ゴルゴ13ならあの車、狙い撃てるだろうな。』
というくらい降下している。
『これなら降りれるんぢゃないか?』
と思った矢先、いきなり窓の外が見えなくなった。
『ありゃ!?』
また霧に入ったみたいだ。
窓から下方を見てても何にも見えない、と思ったら突然、地面にライトが見えた。
『あ!空港の滑走路ぢゃないか!!』
と思った瞬間、
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォォッ!!
急加速して上昇。
『あんなに近づかないと地表が見えないのか・・・。』
機内アナウンス「機長です。再度着陸を試みましたが、着陸灯を視認できませんでした。」
どうやら見えたときには、残りの滑走路の距離が足りない状態だったらしい。
機内アナウンス「当機は再度、周回コースに入りました。皆さんにはご迷惑とご心配をおかけしておりますが、安全を第一に飛行しております。」
『さすがプロだな。無理に着陸を強行しないんだ。』
ふと隣の老夫婦を見ると、ジィサンは「ふがふが」言っている。
バァサンはよくわからない薬をガブガブ飲んでいる。
『血圧上がったんだろうな・・・。』
しばらくして機内アナウンスがあった。
機内アナウンス「当機はもう一度だけ着陸を試みます。30分ほど上空で周回し、その後、天候に応じて着陸を試みますが、天候が回復しない場合、東京へ引き返します。いつ着陸態勢に入れるか、わかりませんのでシートベルトを着用のまま、お待ちください。」
『これはもう東京に引き返すことになるのかもしれない・・・。』
<つづく>