どぅ~も~
<前回のつづき>
しばらくして料理が運ばれてきた。
例の店員がお盆に載せて運んでくる。
店員「○○のお客様」
コバ氏「あ、俺だ。」
店員がお盆を何故かもれの目の前に差し出す。
コバ氏 キッド氏
店員
もれ
という配置で座っている。
『なに、これ?俺に受け渡せと言っているのか?』
もれが手を出すと、その手をかわしてコバ氏に差し出す。
『意味不明な・・・。』
すぐにキッド氏の料理が届いて、二人が先に食し始めた。
するとコバ氏が首をかしげている。
もれ「どうしました?」
コバ氏「いや・・・う~ん・・・。」
御椀を口に持って行っては、「う~ん・・・」と唸っている。
キッド氏の料理にも御椀がついているのを見たコバ氏は
「キッド氏、ちょっとその汁、飲んでみて?」
キッド氏が汁をチクッと飲む。
キッド氏「?・・・どうしたんですか?」
コバ氏「普通?」
キッド氏「・・・普通ですよ。」
コバ氏「これ、飲んでみて?」
コバ氏が御椀をキッド氏に差し出す。
キッド氏がチクッと飲んでみて、「・・・ん!?」
と御椀を覗きこんだ。
もれ「どうしたんですか?」
コバ氏「もれ氏も飲んでみてくださいよ。」
もれも御椀を受け取って、中を覗いて見る。
『澄まし汁か。』
透明なのでそう思いつつ、チクッと飲んでみる。
『・・・味が・・・ない・・・。』
もれ「お、お湯!?」
コバ氏「でしょ!?具が浮いたお湯ですよね!?」
キッド氏「僕の、味噌汁ですもん。」
確かにキッド氏の御椀は味噌汁だ。
この御椀はコックではなく給仕係(つまりおばちゃん店員)が、具、味噌、ダシの入った御椀にお湯を注いで客に出すものだ。
三人「さては!!」
もれの料理が運ばれてきた。
コバ氏「この汁、変なんですけど?」
店員「はい?」
何が変なのよ!と言った態度だ。
コバ氏「味がしません。」
店員「すぐ確かめます。」
御椀を持って給仕場へ戻っていった。
この給仕場、もれ達の席からは丸見えで、様子を伺っていると、店員は何度も何度も御椀を覗き込んでいる。さすがに口を付けはしなかったが、何がおかしいのか、全くわかってなさそうだ。
『通常、ファミレスの店員はこういう場合の対応についても教育されているはずだろ?なんですぐに代わりを持って来ないんだ?』
2,3分ほどして、おばちゃん店員の様子に気付いた若い店員が「どうしたんですか?」という感じで声をかけている。
会話はさすがに聞こえないが、恐らくこういうやり取りがなされていたと容易に想像がつく。
若い店員「どうしたんですか?」
おばちゃん店員「この汁がおかしいって言われたのよ。」
若い店員「え?どれですか?」
御椀を受け取ってすぐに、「これ、味噌とかダシを入れましたか!?」と聞き返している。
おばちゃん店員「入れたわよ!」と大きく頷く。
若い店員「入ってないでしょ!!」と先輩であろう、おばちゃんを叱りつける。
おばちゃん店員は「えぇ!?」って顔をしている。
若い店員「とにかく、すぐに代えのお味噌汁をお持ちしてください!」と、横にあった御椀に具、味噌、ダシを入れ、お湯を注いでおばちゃんに手渡した。
おばちゃん店員がやっと給仕場を出てきた。
なんていうハプニングファミレスか!
<つづく>