ラウンドワンというアミューズメントスポットは全国に展開しているので、ご存知の人も多いはず。


昨年、高松にもオープンし、もれ達も2ヶ月に一回くらいずつだが、遊びに行っている。


もれが行く時は会社の面々と一緒なんだが、当時入社したばかりのダシゥ氏が参加することになった。


この日まで、もれがダシゥ氏と絡んだのは3回だけ。


一回目はPCの設定の時。仕事だったので、あまり違和感なく終了。

二回目と三回目は昼に食事で車に乗っている時だった。


二回目のこの日はすぐ近くの定食屋へ向かっていた。


もれは普段、ワイシャツ(ノーネクタイ)で出勤しているんだが、携帯電話を胸ポケットに入れている。

夏の暑い時期だったので、上着は着ていない。


後部座席に左からダシゥ氏、もれ、悪魔スパルタン氏の三人が並んで座っていた。


すると突然、ダシゥ氏の手がもれの胸元に伸びてくるではないか!!


『な、なにごと!?』


ダシゥ氏はもれの携帯ストラップについている携帯クリーナーを手に取っている。


もれ「な、なんです?」

ダシゥ氏「いや、ちょっと。」


普通ならここで手を放すだろうが、ダシゥ氏はず~っと携帯クリーナーをいじっている。


『なんだ・・・?この人・・・?』


会社から車で3分ほどなので、すぐに到着した。

もれにはなんとなく、違和感が残った。

帰りは申し訳ないが、敢えて悪魔スパルタン氏を真ん中のシートに送り込んでしまった。


三回目は会社から20分ほど走ったところにあるうどん屋だった。


ここはダシゥ氏の幼少の頃、住んでいた地域らしい。


突然、ダシゥ氏が興奮して、「ここって○○号線ですか!?」と声を発した。


雑賀氏「そうですよ~。」


運転しながら答える。


この日も何故か後部座席は、ダシゥ氏、もれ、悪魔スパルタン氏の順で座っていた。


するとダシゥ氏が突然、中腰になって雑賀氏の運転席のシートに手をかけた。

左後部座席で右前のシートに手をかける=もれの目の前にダシゥ氏の腕がある。


ダシゥ氏は「うわ!ここ、こんなに変わったんだ!?」と興奮しているが、その間、もれの視界にはダシゥ氏の二の腕が迫っている。

中腰なので体重ももれにかかってくる。


『おいおい・・・普通、野郎同士でこんなに近接したら、イヤだろう・・・?』


しかしダシゥ氏は3分近くそのままの体勢だった。


もれは重さに押されて、悪魔スパルタン氏にもたれかからざるを得ない状況。


『もしや、こいつ・・・ゲイなんぢゃねぇか!?』


携帯ストラップの件といい、この密着といい、嫌な悪寒が走る気がした。


『ってか、こんなに押されてたら悪魔スパルタン氏がきついだろうな。』


『!!?・・・待てよ・・・。もれがこれだけ密着を嫌に思ってたら、悪魔スパルタン氏も嫌だろう。ってことは・・・もしかしたら悪魔スパルタン氏はもれがゲイでは!?とか思っているかもしれない。』


後で確認したら、そうは思っていなかったようだ。要らん心配でした。


帰りはまたシレ~っと悪魔スパルタン氏を真ん中に送り込んだ。


この日、会社に戻ったもれは一服しながら、ダシゥゲイ疑惑をキッド氏に話してみた。


キッド氏「まぢっすか!?・・・そういえばこの前、ダシゥ氏の歓迎会でカラオケ行ったらキスされましたよ。酔っ払ってたからかと思ってましたけど・・・。」


一緒にタバコを吸っていた水龍木一氏が「あの人、確かにちょっと変ですよ。」


この三人の間で情報を交換するとゲイ疑惑が益々確信に近づきつつあった。

まあもれの中では「バイ疑惑」だった。いわゆる男女両刀使いではないか、という疑惑だ。


そしてこのラウンドワンが四回目だった。


前日、参加メンバーに○○時、現地集合という連絡がリーダーキッド氏から飛んだ。

もれはキッド氏が拾ってくれる事になった。テスタロッサ二世号でも余裕で行ける場所にはあるんだが、終了後のことを考えて拾ってもらった。


さて、集合時刻になってラウンドワンの前にあるハンバーグレストランで軽めの食事を取っていると、西からくるメンバーから連絡が来た。合流したが、ダシゥ氏の姿がない。


キッド氏「ダシゥ氏は?」

悪魔スパルタン氏「いや、一緒じゃないです。」

川野嬢「こっちからはこの三人ですよ。」

矢里予氏「そういえば、昨日、もれさんと話しましたよね。ダシゥ氏に。」

もれ「自力で来るって言ってましたね。」


食事をしながら待つことになった。


食事が終わったところで、ふともれが気付いた。


もれ「そういえば、誰かダシゥ氏の連絡先って知ってます?」


全員がお互いの顔を見た。


『やべ・・・。誰も知らない臭い。』


案の定、ダシゥ氏の携帯は誰も知らなかった。


キッド氏「多分、登録してないけど、この番号だと思うんだけど。」

着信履歴にある電話番号を指しているが、自信がないらしい。


もれ「じゃあ一服がてら、正面玄関を見てきますよ。」


食事の終わったもれとキッド氏でラウンドワンの正面玄関へ入る。


車で来る限り、この入口を使うはずだ。


タバコを吸っていると、いきなりダシゥ氏発見。


なんていう偶然。良いタイミングだった。


レストランで会計を済ませてから、ラウンドワンのスポーツフロアへエレベーターで移動する。

エレベーターの扉が閉まると同時にダシゥ氏が


「シャ~オラ!!シャ~オラ!!!」


とでかい声で叫び始めた。


みんなド肝を抜かれた。


もれはこういうノリにはついて行けないので、エレベーターのガラスに向かい


『やめてくれよ・・・あんた30歳過ぎてんだろ・・・?』


という顔をしていた。


そのもれを見てキッド氏が笑いを堪えている。

川野嬢も目をパチパチさせている。

矢里予氏もどうしようという顔をしている。

悪魔スパルタン氏は平静を装っているが、普段とは違う緊張感。


ダシゥ氏はおかまいなしに「シャ~オラ~!」を連呼している。


『あほなのか?』


ほどなくエレベーターがフロアに到着。


みんなが開放されたという顔。


バッティングをやって、テニスへ。

川野嬢は昔軟式テニスの四国優勝という輝かしい成績の持ち主。

この日の目標はもれをコテンパンにすることらしい。


プレイし始めてみると、さすがに川野嬢は余裕の動き。

もれは2ヶ月間だけ、東京でテニススクールに通った事がある。

シッピン氏と一緒だったんだが、3ヶ月目には幽霊会員となってしまったという経歴がある。


テニスを始めて15分ほどしたところで、キッド氏が消えた。

テニスコートの中は川野嬢vsもれ・ダシゥ氏という形勢だ。


キッド氏・・・どこへ?


<つづく>