前日の続きです。

 

もれのいた寮は同じ会社に勤める社員しか住んでいない。

年次は入社1~5年目までという原則があり、

1人だけが長期長距離出張の先輩だった。

部屋数は40部屋ほどで入居状況としては5,6割といったところなので、 20人強が住んでいることになる。

20人中同期が10人いた。

つまりほぼ50%の確率で同期が捨てたことになる。 というより、もれとY三郎の中では

『同期が捨てた』ことになっていた。

 

長期出張の先輩はもれと同じ職場の先輩で、

そう言う趣味がないことは明らかだからだ。

 

もれとY三郎は物色したのだから「シロ」である。

※自作自演だったらY三郎は凄い男だ・・・。

 

残りは8人。 「同期○○か?」

「いや、あいつの部屋にはこんな大量のテープはなかったぞ。」 「あいつはどうだ?」

「う~ん、そういう趣味ではなさそうだけどな。」 「あいつは?あいつの部屋って誰も出入りしてる素振りが無いぞ。」

「ありうるな。ただ、キャラ的に真面目だからここには捨てないだろう。」

と二人で犯人(?)の目星をつけていたとき、 「待てよ。今朝会社に行くときは無かったよな。」

ということに気づいた。

 

つまり既に寮に戻っている人間だ。

寮は戻ると自分の名前のプレートを裏返して

「居る」ことを示すことになっている。

 

もれたちが寮に戻った21時過ぎ、大半の人物が戻っていた。

が、まだ戻ってない人物はシロとなる。

候補は6名に絞られる。

ふとさっきすれ違った同期Mのことを思い出した。 「同期Mは一度、部屋に戻ってから食事に出たって事だよな。」 「同期Mが飯に出るついでに捨てていった・・・?」 「あ、ありうる!」

「明日確認してみようか。」 「でも聞きづらいな。」

「そうだな。まあ詮索はここまでにしておこう。」

 

その日はそこまでで解散した。

 

翌朝、寮を出たところで後ろからY三郎が

「おお、おはよう」と声をかけてきた。 電車のリミットが迫りつつあるので、駆け足で駅に向かう。

「ビデオ見た?」

「一応見た。普通だった」

などと情報を交換しつつ走っていると、 駅の直前で前を歩く同期Mの姿が・・・。

 

「おはよう!」

「ああ、おはよう」 なんか元気が無い。

 

ぎりぎりだったのでそのまま電車に駆け込んだ。

毎朝のことだが、電車は超満員電車で三人は 人の波に押されてバラバラになってしまった。

 

結局同期Mは犯人なのか?それとも迷宮入りしてしまうのか・・・。

 

<さらにつづく>