もれが電車に乗っていると、小学生4,5人が下校中の模様。 キャッキャと走りまわっていた。電車は座席が埋まっていて、つり

革に3,4人が立っている程度の乗車率。かなりスカスカなので小学

生も全力疾走している。と、小学生の一人が隣の車両との連結部

に入った。

その瞬間、いきなりもれの列の一番端に座っていた親父が怒鳴った。 親父「こら!危ないだろう!」 怒鳴りながら連結部へ向かって歩き出した。

『最近、他人の子供を叱れる大人が減っていると言われているが、ま

だいるんだなぁ。』と感心していた。

親父は何が危ないかをでかい声で小学生に説明している。小学生た

ちはシュンとなって、女の子などは涙ぐんでいた。

親父「並べ!」

『え?並ばせるの・・・?』

小学生は言われるがままに並ぶ。 親父「お前から順に謝れ!」

『謝れ?何故叱られたか理由を聞くんじゃなく?誰に・・・?』

一人目の小学生「電車の中で遊んでごめんなさい。」 親父「次!」

二人目の小学生「電車の中で遊んでごめんなさい。」 親父「それはさっきの奴が言っただろう!

二人目の小学生「・・・。うるさくしてごめんなさい。」 親父「次!」

三人目の小学生「・・・。」 親父「お前は謝ることができんのか!?」

『いや・・・もう他に言いようがないんだろ・・・。』

ここで、とある駅につく。小学生はここで下車するらしい。一人が

猛ダッシュ!残りの小学生も猛ダッシュをかける。

親父「こらっ!!!逃げる奴があるか!バカモンが!!!」

『下車する駅なんだから仕方ないだろう・・・。』

ドアが閉まる。親父は仕方なくドアの内側で小学生を睨んでいる。

と、ホームに逃げた小学生が口を揃えて 「ジジィ!バーカ!」と叫んで逃げた。

親父「なんだと!?」

もうどうしようもない。親父は自分が元いた席に座ろうと振りかえる。 そこには今乗ってきたオジサンが座ってしまっていた。

親父「・・・。」

納得がいかない顔。

親父は周りを見まわして、一番近くにいた若い会社員の男に怒鳴る。

親父「あんたも子供が走りまわっていたら注意すべきだろう!?」

若い男「・・・。」

親父「無視か。無視するのか。ああそうだろうな。最近の若いのは

見て見ぬフリだろうな。ああそうさ。」

『自問自答?』

親父「これだから社会がおかしいといわれるんだ。」

親父はだれかれ構わず怒鳴りかける。 親父「お前はどうだ!?」 親父「お前も無視か!?」

『やな雰囲気になってきたな。』

みんながうつむいて無視するもんだから、だんだんもれに近づいて

くる。ついに親父はもれに向かって怒鳴る。

親父「俺は間違えてないだろ?」 もれは頷いてみた。

親父「・・・。ま、まぁそうだろう・・・。」

そのままもれの隣の人に怒鳴る。

親父「俺に文句があるのか?」 隣の人「・・・。ありませんけど・・・。」 親父「けど?けどなに?」 隣の人「文句はありません!」 親父「・・・。そ、そう?」

『味方されると弱いんだ・・・。』

そのままもれたちの列の全員に怒鳴り散らして、隣の区画にまで怒

鳴っている。そこに運悪く若いチンピラ風(死語?)の男がいた。

スポーツ新聞を広げ、足を組んでいる。

『親父・・・。その人はいかん・・・。』

親父「その態度はなんだ!?貴様も見てただろう!?」

『言ってしまったか・・・。』

チンピラ「あぁ!?」

なんだかもう言葉にならない言い争いが始まった。

次の駅についた。チンピラは親父のネクタイを掴んでホームに引き

づり下ろした。駅員が何事かと駆けつける。

親父「おい!駅員!こいつをなんとかしろ!」 駅員「はあ・・・。どうなっているんでしょう?」 チンピラ「こいつが絡んできたんだよ!」 親父「貴様のマナーが悪いから注意したんだ!」

『主旨変わってる・・・。』

電車はそのまま発車。発車直後の車内で女子高生が話している。

女子高生A子「うざいよね。」 女子高生B子「なんで怒鳴られなきゃならないの?」 女子高生C子「最初は正義感のある奴だと思ったけどね。」

『まったくその通りだが、チンピラには触れないのか・・・。』

と、C子の隣のじいさんが一言「わしゃ心臓が止まるかと思ったわい。」 C子「おいおい、ジジイ。大丈夫かよ。」 じいさん「ジジイ!?」

『心臓止まるかも・・・。』

C子「ごめんごめん。おじいさん。」 じいさん「最近はああいう大人が減ったのお。」 C子「昔はあんな人がいっぱいいたの?」 じいさん「ちょっとやりすぎじゃが、気持ちは伝わるだろう?」 A子「ジジイもうざいよ。」

『こいつはうざいしか言えないのか?』

じいさん「うざい?うざいとは?』 B子「うっとおしいってこと。」 じいさん「そうかそうか。それはすまんのぉ。」

B子「黙って座ってりゃいいの!」

周り「・・・。」

一気にこの3人が悪人扱い。

誰が一番大人なのかは明白だけど、誰が一番正しい行動を取ったと

いえるのだろうか・・・。それとも誰も正しくなかったのか。

判断は年代によって異なるのかもしれない。難しいですね。