もれが大学時代のこと。

もれは大学から東京へ出てきた。もちろん一人暮しで、留守番電話

は必須アイテムであった。ある日、家に帰ると留守電が一件入って

いる。

 

再生ボタンを押す。

 

「★★大学図書館です。あなたが借りられている○○という本を返

却してください。既に期限を過ぎていますのでお願いします。ピー

○月○日○曜日○時○分です。

『本?』

もれは活字の本が苦手だ。図書館で本を借りているわけがない。

『間違い電話か。』と放っておいた。

 

それから数日後、家に帰ると留守電が入っている。

 

再生ボタンを押す。

 

「あはんあはん」言ってる・・・。

『なんだこれは・・・?』

「赤峰はピー○月○日○曜日○時○分です。

『赤峰が?どうしたのさ!』

ものすっごく気になるところで終わっている。

イタズラ電話なのは間違いないんだが、何て絶妙に終わっているん

だ・・・。赤峰ってそもそも誰なんだ・・・。

 

電話の主はすぐに友人いざぅ氏であることがわかった。当時流行っ

たダイヤルQ2の内容を録音したものらしい。

   

大学を卒業し、就職した会社の独身寮に入った。ビデオ事件のあっ

た寮だ。電話は大学時代から継続で同じ物を使っている。

 

ある日、「○○警察所です。あなたは本日×時に発生した傷害事

件の容疑者となっています。このメッセージを聞いたらすぐにお電

話ください。時間が経てば経つほどあなたの罪は重くなると思って

ください。電話番号はピー○月○日○曜日○時○分です。という

メッセージが入っていた。

『えぇっ!?なんでもれが容疑者なんだ?しかも電話番号入ってな

いやんけ!ん?二件目だ。』

「先ほどの○○警察ですが。留守電の時間が短すぎます!先ほどの

メッセージの通り傷害事件の容疑者であるあなたが電話をかけてこ

なければ、こちらから令状を取って自宅にうかがいます。よろしい

ですね?電話番号はピー○月○日○曜日○時○分です。

『また途切れてるやん・・・。』

三件目

「○○警察ですが。いいかげんにしてください。短すぎます!電話

番号を先に言います。XXXX-XX-XXXXです。○時までに電話が

ない場合、強行手段を取らざるを得ませんのでお願いしますよ!

ガチャ!ピー○月○日○曜日○時○分です。

『○時まで・・・って過ぎてるし・・・。まあイタズラだろう。』

もちろんもれは事件など起こしてないし、その時間はまだ会社にい

たのでアリバイもバッチリだった。

 

しばらくテレビを見ていると電話が鳴った。

もれ「はい、もれです。」

相手「○○警察の○○と申します。」

『さっきの留守電の声だ!マヂ?』

もれ「はい。」

相手「もれさん。申し訳ありません。電話番号間違えてました・・・。」

もれ「ああ、そうですか。イタズラだと思ってました。」

相手「滅相もない。警察がイタズラするわけないでしょう?」

『この人は少し頭の回転が悪いな・・・。警察を名乗ったイタズラ

だと言いたかったんだが・・・。』

相手「ご協力いただきましたおかげで容疑者は逮捕しまして、事件

は解決しましたので。」

もれ「はあ・・・。」

『もれは何もしてないぞ。』

もれ「あの~。イタズラ電話じゃないんですか?」

相手「失敬な!」

『どっちがだ?』

もれ「とにかく、解決して良かったですね。じゃあ。」

相手「今後ともご協力をよろしくお願いします。」

もれ「もれは協力してませんが・・・。」

相手「え?ああ、そういえばそうでしたね。ガチャ!」

『なぜガチャ切り?』

 

それから数年して会社の携帯電話を持たされることになった。

毎週、「加藤さんですか?」という電話が入る。最近は減ったが。

※ちなみにもれは加藤という名前ではない。

 

あるとき、女の人の声で「加藤さんですか?」

もれ「違います。前にこの番号持ってた人じゃないですか?

多いんですよ。」

女「じゃあ、あんた誰?」

『オマエが誰だよ!?』

もれ「名乗りません。じゃあ切ります。」

直後に着信。さっきの奴だ。仕事中なので電源を切ってカバンにしまう。

 

仕事が終わり、携帯の電源をON。メッセージが残っている。

女「加藤さんでしょ?わかってるんだから。待ってるからね!いつ

もの所で。絶対来てね!」

『どこだよ・・・。しかも誰だよ・・・。』

二件目も同じ女「加藤さん、なんで来てくれないの?」

『加藤さんはプレイボーイなのか・・・?』

三件目も同じ女「加藤さん。今ね。加藤さんちの前!もう逃げられ

ないよ!出てくるまで待ってるんだから!」

『か、加藤さん・・・すまん。』

 

もれの留守電は変なメッセージが残される宿命なのだろうか・・・。