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京介『こんな議論続けてもムダだろ』
京介『あいつを逮捕できるのは俺だけだ…!』
京介『‥‥‥いつまで待たせるつもりだ』
京介『あんな小細工も見抜けないような無能じゃないだろう、お前は』
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○○「すごい‥‥‥本当に別人みたい‥‥‥!」
京介「そうかな?まだ甘い気がするけど」
京介くんは、どこか突き放したような目で自分の演技を見つめる。
今日は京介くんが主演した二時間ドラマの放映日。
演じるのは、「横暴な面もあるけど情熱と優しさを持つ刑事」と「頭脳明晰で冷徹な完全犯罪者」の一人二役だ。
○○「ねえ、この先どうなるの?」
京介「‥‥‥へぇ、そんなに教えて欲しい?」
京介「ちゃんと自分の頭で考えてみろよ」
薄く笑う京介くんに、心臓がどきりと音を立てる。
○○「っ‥‥‥」
京介「なんてね。でも、教えないよ」
京介「楽しみは後にとっておかないと」
今度はニヤリと笑ってみせる。
まるでドラマの役と同じように、くるくると表情を変える京介くんに思わず拍手してしまう。
○○「すごい、本当に全然雰囲気違うね…!」
京介「○○さんはどっちが好き?」
○○「えっ?…うーん‥‥‥」
答えられずにいると、ソファのヘリにドンッと手をつかれる。
京介「もちろん、俺の方がいいだろ」
○○「っ…!」
まっすぐな瞳に見つめられて、目を逸らすことができずにいると今度は指先で顎を掬われた。
京介「…今日は君が好きな方で、遊んであげる」
京介「で、どっちにする?」
○○「っ…ふ、ふふ…!」
…人間はあまりに緊張しすぎると笑ってしまうのかもしれない。
京介「えー、そこで普通笑うかなぁ」
○○「ごめん、なんか許容量超えちゃって…つい」
京介「許容量?」
○○「うん。恥ずかしいのと、ドキドキしてるのと、まぁ色々‥‥‥」
京介「そっか。まぁ、どっちも喜んでくれたんならいいんだけど」
○○「それはもう…!あっ」
思いの外、力強く頷いてしまって恥ずかしさがこみ上げてくる。
京介「ははっ、もう○○さんは可愛いな」
京介くんがぎゅっと私の頭を抱きしめてくれる。
それがすごく嬉しくて、胸の奥がきゅっと締め付けられた。
○○「あっ、わかった」
京介「うん?」
○○「こんな風に普通に笑ってる京介くんが、一番好き」
京介「‥‥‥」
○○「ものすごくドキドキするってわけじゃないけど…でも、一番好きだよ」
京介「…そう言われると、ちゃんとドキドキさせないと」
○○「えっ‥‥‥っ‥‥‥」
京介くんの手がつうっと私の背中をなぞる。
○○「あの、お手柔らかにお願いします…」
京介「やだ」
○○「っ…!」
楽しく笑い合う時間も、穏やかに過ごす時間も、ドキドキする時間も。
二人一緒なら、どんな時間だって幸せなのだった。
