医学部キャンパスらしい質のいい勉強机でTOEICの勉強をする俺
隣で寝不足の彼女は睡眠中
と、揺れに気づく
軽いカタカタとした、たて揺れ
まだ寝てるよw
と隣を見るも、揺れは急に激しくなりだす
大きく床が揺さぶられる
立ってられないってのは本当だったんだな
部屋自体を大きな力でゆさゆさ振り回されている感じ
この2日前(?)にも三陸沖で震度6強の地震があった
青葉山の研究室にいたけど
それなりに冷静でいられた
でもこれは・・
命の危険を十分感じられるレベル
自然と机の下へもぐった
ながい
収まってきたかと思いきや、
さらに激しさを増す
本棚の本はすべて床に散乱
天井の漆喰が割れて、机や床に降りかかる
ひとつの机の下に
自分と彼女2人で固くなっていた
恐怖と、彼女は守らなければという思い
一緒になって、彼女の背中をぎゅっと強く握った
自分に言い聞かせているのか、
「もう大丈夫、もうすぐ終わるよ」
と呟く
やっと揺れが収まり、あわてて外へ避難
もっと強い揺れがきたら、この建物はもう持たないという危機感があった
外でラジオを聴く
7mの津波が来るらしい
ここまでは津波は来ないと思い、しばらくラジオで情報を得ようとする
揺れの大きさに反して、自分の周囲はまったくの
無事だった
怪我人もいない、建物も損壊していない(外見上は)
ひどい被害はなさそうだと想像
水の確保のため、アパートに戻り風呂に水をためる
食料などの確保のため、近くのコンビニで買い物
ライフラインも1週間あれば回復するだろうという
安易な想像により、
1週間ほどの食料と水を購入
さてこれからどうしようかと、
雪
大地震の後の、
非常事態を知らせるような
気味が悪くなるほどの急な大雪
町行く人々は
一方向に向かって
せかせか歩いてゆく
どこに行くのか尋ねたら
「みんなが行くほうについていっている」
みんな、どのくらいの危機感を持って
今いるんだろう
俺には楽観しているように見えた
澄ましてないでさ、
いざとなったら真剣になれるのか?
生命の危機を感じてないのか?
そうこうしている間にも強い余震が何度も襲う
避難所は近隣の小学校3階
新しい建屋で保温能力が高い
後から聞いた話では、免震構造がよくできているとのこと
人づての話で信憑性は疑問だったが、
とても心強く、安心できた
そんな話に簡単にすがるほど
地震が怖かったのかもしれない
避難所は集まった人たちの体熱で
温まっていた
しかし電気が通っていないので
この時点で薄暗い
不安を感じる
彼女は不安がって、
親、友達、先生に
とにかく連絡を取ろうとするが、
メールも電話も通じない
携帯用の充電池を持っていたが、
あまりバッテリーを消費させないほうがいいかと思い
抑えるようにいうと
不機嫌になる
やはり彼女は人と人との中でしか生きられないようだ
おれはやはり人と人との中では生きられないようだ
彼女の服に包まれ
よく寝られない夜を過ごした
こういう状況でも、
後から聞いたら彼女は
俺とずっと一緒にいられたからラッキーだった

おれも
君といられてよかったよ

ほんとによかった
電気が思ったよりも早く復旧して、
バスも思ったより早く運行再開して、
二次災害である原発の放射能漏れから逃げた
で、今思うこと
現地にいたときはラジオやテレビから流れてくる情報に
あんなに敏感で、常に耳を傾けていたのに
新潟にきてからは、
外国のニュースを見ているようで。
たまにやるバクダットでの自爆テロの報道
どこどこで何十名の使者が出ました
ふーん
これとほとんど同じ
自分の安全が確保されると
こうも変わってしまうものか
何千の死者が出ようと、
自分の知り合いが含まれなければ、他人事
自分だけよければそれでいい
これが日本人か
変わる努力をしなければ。
いや、このままでいいのか。
俺の命は何のためにあるの?