早いもので、
mp13『プラヌラ』まで、あと1ヶ月を切りました。
稽古を重ねれば重ねるほど、作品の難しさにぶち当たる日々です。。。笑
そもそも、
今回上演の『プラヌラ』とは、どんな作品なのでしょうか?
本作は、先日モラパンメンバーとなりました高石紗和子の戯曲で、
第22回劇作家協会新人戯曲賞の最終選考候補作となった作品です。
惜しくも受賞とはなりませんでしたが、審査員の方からも好評をいただきました。
その際の選評をご紹介させていただきます。
鴻上尚史さん
『プラヌラ』を僕は一押ししました。じつに詩的なセリフで、引きこもってしまったまひろの内面がひりひりと描かれて、とても才能を感じました。
ただ、構造的にはひとつ弱い。最後、まひろに希望の光をともそうとする「けい」をちゃんと描写しておかないと、ご都合主義と言われてしまいます。
エッセー的な作品ですが、言語センスは抜群ですから、これからは、構造的に人物を造形し、物語を語るというテクニックをつければいいと思いました。なんにせよ、24歳でここまで書けるのは衝撃でした。
佃 典彦さん
もう50歳を過ぎた僕にはとてもじゃないけど書けやしない・・・と思わされたのが『プラヌラ』でした。「晴れ晴れとし過ぎていて何を見て見ぬふりをしているのかしっくりこないよね」というセリフが、今の高校生の得体の知れぬ不安感を上手く表現していて切実な感じが痛々しい。同年代の他愛もない会話が続く中、実は会話しながら脳ミソの中は自分のことだけで一杯になっているような薄い関係、それが回想シーンで表現されているのが上手いと思いました。お互い言葉が届かないといった感じ・・・。僕は最後までこの作品を推したのには24歳の作者の、今でしか書けないような危うさに感じ入ったからでした。
土田英生
高石紗和子さんの『プラヌラ』を推そうと決めていた。細部の会話は具象で描かれ、私たちが現実に生きている世界の延長線上にあると思えるのに、作品全体の印象は抽象画を眺めているかのような感触。境界線が見えないことに興味を惹かれた。これは主人公である“まひろ”と彼女の同級生たちの関係にも言える。引きこもりになってしまったまひろと、日常生活を泳ぐ他の登場人物の間にも明確な線引きはない。地続きになっていることによって、まひろの生き辛さが自分のことのように感じられた。
(引用:日本劇作家協会HPより)
圧倒的な言語センス。
今を生きる瑞瑞しさ。
繊細な言葉の世界が評価され、これからを期待されている高石紗和子。
そして、
常に新たな演劇の形を模索し続け、チャレンジをやめないモラパン。
これまで日の目を見なかった『プラヌラ』が、完全版として形作られようとしています!
皆様の期待に応えるよう、その期待を上回るよう、
さらにさらに稽古を重ねてまいります!
どうか劇場へ足をお運びいただき、プラヌラの世界へ踏み込んでみてください。
どなたでも大歓迎です。
ご予約は下記URLより承っております。
演劇プロデュースユニットMoratorium Pants
第13回公演『プラヌラ』
作・高石紗和子/演出・橋本昭博
第22回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作。惜しくも最優秀賞を取り損ねた、埋もれかけた名作。
モラパン新メンバーとして加入した高石紗和子との初ダッグ。モラトリアムな思春期の揺らぎと日常を、等身大の弱く儚い言葉で、強く問いかける。
今を生きる人達、全員に捧ぐ。モラパン3年ぶりの新作!東京・茨城でツアー上演!
●あらすじ●
今日、五月末の月曜日。
春ももう終わりかなあっていう、天気のいい日。
同級生たちは楽しそうに、やりきれなそうに、自由そうに、不自由そうに、しゃべったり笑ったり。
まひろはいつものように眠りにつく。
リビングには空っぽの水槽。
かつていた、けれど遠くなってしまった場所。
弱くて、脆くて、泳げなくて、
それでも
いまを漂っている。
高校生たちと、毎日なにかを見てみぬふりして生きている、僕らの話。
●出演者●
堀春菜
仁田直人(アナログスイッチ)
石塚みづき
木村美月(阿佐ヶ谷スパイダース)
菅野恵
ミヤタユーヤ
兵藤真世
笹海舟
今治ゆか (以上、mp)
志賀聖子(MCR)
丸尾聡
●東京公演●
2019年
6月14日(金) 15:30/19:30
6月15日(土) 14:00★/18:00
★アフターイベントあり
[会場]
座・高円寺2
[チケット価格]
一般:3300円/ペア割:6000円
U25:2800円/高校生以下:1000円
※当日券は+500円
[ご予約予約フォーム]
https://www.quartet-online.net/ticket/planula-tokyo
≪公演HP≫
https://moratoriumpants.wixsite.com/mp2016/next-stage-1







