ドロップスのように
口の中で溶けてしまったセリフのいくつもが
後悔となって肺の中に滑り落ちる
 
それはまるで
日の当たらない場所に溜まった水のように濁って
内側からじわじわと脆くする

そう、精神の腐敗である
 
「ごめんよ 愚かな取り繕いが
 君をもっと惨めにさせたね
 ごめんよ 俺が蝶になる日を
 待ち望んでいた君に
 やっと見せることができたのは
 サナギの中でずっと不完全なままだった緑色の液体だけ
 それでも それが精一杯の俺なんだ
 太陽に愛された 森緑のような君と
 太陽を拒んだ サナギの中の俺と
 似て非なるフカミドリだね」
  
まるで月日は 無情であることを示すように
終わりの鐘を鳴らすのです



「フカミドリ」


また無責任な笑顔で
「平気だから」って口にして すぐに悔やむ

こんな風にいつの間にか
臆病さばかりが板につき 後ずさり

でもね、12の頃に見ていた世界のように
疑いようもない気持ちはあって
色に例えるなら深い緑で
必要なものだけわかってる

「良かったよ」と言ってた
映画を昨夜観ていた
僕にはとても退屈に感じられたけれど
楽しめたフリをする ダメだね

人気のない海辺に 打ち上げられていた
イルカの群れのように 終わりを待つのは嫌だよ

でもね、15の頃に見付けた世界のように
歪な歌にさえ救いはあって
色に例えるなら深い緑で
必要な人だとわかってる

受け入れ難い事に 何処から向き合えばいい
踏み込まずにいても 踏み込んでも
同じ場所へ迷い込みそうで
強く目を閉じてる間に 不安の種は消え去り
朝には 全てが思い過ごしだったような
気持ちになれたら いいよね