白い手袋

臆病な自分を隠す為に 白い手袋
素敵なマジシャンになったつもりさ 白い手袋

手を繋ごうにも 動揺隠せず汗をかく
挙句、きっと君を不愉快にさせる
凍て付く様な冬の日の 真っ赤に悴む(かじかむ)手のひらは
触れればきっと 君を不愉快にさせる

残酷で 不器用で 馬鹿正直な
この手を隠せば上手くいく
きっと上手くいく

悲観に呑まれた自分の頬を打つ為に 白い手袋
素敵に装ったつもりさ 白い手袋

だってほら、君の溢れ出す涙 拭き取る事が出来る
だってほら、風船に揺られたら 道化にだってなれる

怖がりで 潔癖症で 馬鹿正直な
この手を隠せば上手くいく
きっと上手くいく

紳士的にエスコートする為の 白い手袋
素敵なエンターティナー気取りさ 白い手袋

あぁ、ミッキーマウスになったつもりさ


同じく、詩集一滴より


ステージに立つ際に手袋をしているのには理由があって・・・


「素手」は自分にとって、とても生々しいもので
ステージ上では本来見せるべきでない自分を
象徴しているかのように感じるんです


それを隠すことによって
ステージの上での「Hitomi」が完成されるような気がしていて

でも、今日「浮遊病」を歌っているとき
直に、裸の自分の手で
その手に触れたいという衝動に駆られたんです