朝起きて、熱を測ると36.9度だった。

久々に見る36度代。

筋肉の炎症も治まってきたのか、左ひざの関節を曲げることができるようになってきた。

大部屋内にある洗面台まで、歩行器で行って顔を洗うことができた。

 

今日からレンタルパジャマを止めて、持参したスエットとTシャツにに着替えることにした。

自分でおしぼりで上半身を拭いた。傷にはまだガーゼと保護フィルムが張ってあるので、シャワーに入ることはできないが、汗をかくほどのリハビリもしていないので、拭くだけで間に合う。

 

今日の看護師Mさんはベテランですごく気が付く人のようだ。

便が出にくいことを心配して、聴診器でお腹の音を聴いたり、ポンポンと大腸にそってお腹をたたいて音を聴き、便がどこまで来ているか調べたりしてくれた。

今日の予定で、リハビリの先生がいらっしゃるということなので、M看護師に頼んでみた。

(本来はK病院の3階にあるリハビリテーションセンターでリハビリできるはずだったが、今は

コロナを理由に、外来患者の利用だけに制限されている。入院患者についてはPTさんが病棟へ出向いてきてベット周りや、廊下での歩行訓練などをする。)

 

ー術後の脚長差がすごくあるんです。座っても

こんなに膝頭の位置が違うし(薄い本2冊分)、立ってもこうなんです。だから左脚をしっかり

つけて歩くには、右足をつま先立ちにしなくちゃならないんです。

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―リハビリで今日はたくさん歩くと思うけど、

その時にずっとつま先立ちする右足が疲れすぎちゃうし、へんな体の使い方に慣れたくないから、

右足のインソールを、リハビリテーションセンターから先生に持参して病棟へ来てもらうようお願いして頂きたいんです。

 

「タンツベアさん、私も先天的に右足の方が1cm短いの。でも、先天的だから、脚幅を広くして立って重心の位置をずらすことで、不自由なく

やっています。」

 

―でもこの差は、それでは解消できない位あるでしょう。私はまっすぐ立って歩きたいし、リハビリで体傾けて変な歩きグセをつけたら、他の筋肉や腰にも負担がかかるから。

 

「そうですね。じゃ私からリハビリの先生に連絡しておきますよ。足のサイズは何センチ?」

とM看護師は言って、PTさんへ電話してくれた。

私は恒久的な装具を作るつもりではなく、とにかく当面の歩行訓練を姿勢よく、正しい体の使い方で行うために、インソールを借りたいと考えたのだ。