友達のところを廻り終えたデレは、落ちてたバットを引きずって、学校の階段をゆっくりと上って行きます。
学校が、デレが住んでいる町で一番高い建物だからです。
デレはゆっくりと上ります。
今日見た笑顔を思い出しながら。
彼女は上って行きます。
階段を上り終えて、屋上の扉を開けると、抜けるような青空とゆっくりと落ちてくる星が見えました。
デレはすう、と息を一つ吸って屋上の真ん中に立ちました。
テレビで見た、野球選手の見様見真似でバットを構えます。
彼女は家族を知りません。
彼女は恋を知りません。
彼女は兄弟を知りません。
彼女は家族と食べるショートケーキの味を知りません。
彼女は、諦めを知りません。
諦めが蔓延したこの世界でただ一人足掻ける彼女も、
ζ(^ー^*ζ
きっと、幸せなのでしょう。
―――無知のようです
改め
―――それでも、幸せのようです
了。
