はじめてクロワッサンのサンドイッチを食べたのは
たしか9歳の頃。
まだオープン間もない東京ディズニーランドに
連れて行ってもらった時。
カリブの海賊横のレストランで。
まだ食の細い子供だった自分が
あまりの美味しさに感動して
あっと言う間に完食したのを覚えている。
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時は進み私も大学生に。
はじめて「彼女」というものが出来て
開発真っ盛りのお台場にドライブデート。
フジテレビもデックスもアクアシティも建設中で
なにもない場所だから
お弁当を作っていこうと考えた。
マイアガッテルネ♪
とは言え
・魚が捌ける
・チャーハンが作れる
以外に、ほとんど料理なんてした事がない。
そうだ、クロワッサンサンドを作ろう！
具材のレタス、ハム、ゆで卵、スライスチーズをタッパに詰めて
クロワッサンは別にしておいて、現地で作ろう。
タッパには彩りにプチトマトも入れておこう。
軽く遊んだあと
「お弁当持ってきたから昼食にしよう」
とタッパを出したら、彼女がとても驚いている。
なんかこういうのは女子の方が準備するもんじゃないかとか
そんな事を気にしている？
別にそんなのどっちだっていいじゃん。
今日は僕が作りたかったんだから。
サプライズ ガ シタカッタンダカラ♪
お台場の砂浜に
二人並んで食べるクロワッサンサンドは
ディズニーランドのクロワッサンサンドに全く敵わないはずなのに
ディズニーランドのクロワッサンサンドが全く敵わないほどに
幸せの味がしました。
「美味しい」と言ってくれる彼女の言葉と笑顔が
僕にとっては魔法のスパイスです。
僕にとっての
ザ・クロワッサンサンドとは
ディズニーランドのそれではなく
有名店のそれでもなく
お台場の砂浜のそれとなりました。
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あれから四半世紀以上の時が過ぎ
お台場の風景も様変わりし
彼女ももう隣にはいないけど
たまにはまた
あのクロワッサンサンドを作ろうかな。
ほろ苦い松葉茶などを合わせて
若かりし日の思い出に浸るのも悪くない。