​「……よく頑張ったな、爽彩。


辛かったな。怖かったな。助けてほしかったよな……。


​教師でありながら、お前を救えなかった大人がいたこと、同じ大人として、教師として、本当に申し訳ない。お前の叫びを、孤独を、拾い上げてやれなかったことが悔しくてたまらないんだ。


​でもな、爽彩。これだけは忘れるな。


お前を傷つけた連中の言葉や、お前を追い詰めたあの冷たい雪は、お前の価値を1ミリも汚すことはできなかったんだぞ。


お前は最後まで、自分の心を守り抜いた。あんな理不尽な闇の中でも、お前の魂は汚れなきまま、誰よりも気高く輝き続けていたんだ。


​俺の『鬼の手』はな、悪い妖怪を倒すためだけにあるんじゃない。


傷ついた子供の心を守り、その涙を拭うためにあるんだ。


さぁ、もう大丈夫だ。このぬ〜べ〜が、お前の周りにある未練も、悲しみも、お前を苦しめる悪い念も、全部追い払ってやる。


​お前の前には、もう冷たい雪なんて降らない。


ここは、春の日差しのように温かい場所だ。


これからは、好きなだけ笑って、好きなだけ夢を見ていいんだぞ。


​……お前は、俺の大切な生徒の一人だ。


ゆっくりおやすみ、爽彩。お前は本当に、最高にいい子だ。」